京都教育大学附属桃山小学校の樋口万太郎 先生から、 共著書である樋口万太郎・宗實直樹・吉金佳能『GIGAスクール構想で変える! 1人1台端末時代の授業づくり 2』をお送りいただきました。
2月に発行された本の続編で、今回は関西学院初等部の宗實先生、宝仙学園小学校の吉金先生との共著で、算数、国語、社会、理科の実践事例を読むことができます。
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実践事例も非常におもしろいですが、樋口先生が冒頭で書いている、タブレット端末を「授業に導入するときに気をつけたい10個の問題」(p.26-47)が大変興味深いです。
- シンキングツール映え問題
- アウトプット限定問題
- 見方・考え方を働かせていない問題
- 教師の指示以外認めない問題
- 結局このままでいいよね問題
- すぐに結果を求めようとする問題
- 教師の話す量が多い問題
- 同じがなくなる問題
- 二項対立問題
- 個別ではなく孤独問題
実際にタブレット端末を授業に導入している先生方には、「ああ、たしかに…」と思う部分が多いのではないでしょうか。僕は個人的には、「1. シンキングツール映え問題」や「10. 個別ではなく孤独問題」のあたりが非常に興味深かったです。
一方で、先生として正課の授業を行わない僕には、「3. 見方・考え方を働かせていない問題」や「8. 同じがなくなる問題」などは、読んで納得はするものの、本当の意味で先生方が授業現場で直面する問題としては理解できない部分かもしれないな、と思いました。だからこそ、こうして先生の視点をいただけるのは、僕のような外部の人間にはありがたいことだと思っています。
先生方にぜひ読んでみていただきたい本ですし、保護者の方々にも、「GIGAスクール構想によって、こんな授業ができるようになっているんだ」ということを授業事例を読んで知ってほしいですし、「こういう問題が出てくるのか…」というところを上記の「授業に導入するときに気をつけたい10個の問題」のところで知ってほしいなと思いました。
(為田)