教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

書籍ご紹介:『教育委員会が本気出したらスゴかった。」

 大変遅ればせながら、ようやく佐藤明彦『教育委員会が本気出したらスゴかった。 』を読みました。熊本市教育委員会と学校で、2020年2月末から6月くらいまでの一斉休校の間(というか、その少し前から準備や判断は始まっていたわけですが)どのような施策が行われていたのか、ということが語られています。

 スモールステップで、できるところから少しずつ準備を始めていく、ということ。市長と教育長がリーダーシップをとって決定をし、それをすべての学校現場へ届けるための仕組みを作ること。改めて、「公教育で問題を乗り切るならばこうしたやり方が有効だろう」と考えさせてくれるものでした。
 1校や2校、カリスマな先生が頑張る形ならば、他のやり方もあると思うのですが、全校でやるというならば、仕組みと文化を作らないとできないと思います。どうやって仕組みと文化を作っていくのかを考えながら読みました。

 コロナ禍での一斉休校によって前倒しされたGIGAスクール構想によって配備された一人1台の情報端末は、「オンライン授業がなくなったから使わなくてOK」というものではありません。
 コロナ禍のあの時期に先生方が考え、保護者が考え、子どもたちが考えた、「そもそも、学校が果たすべき役割って何だっけ?」ということを、継続して考えていかなくてはならないと思います。

 改めて、GIGAスクール構想を実現させていくために、学校の先生方をどうサポートしていくべきなのかを考える機会になりました。

(為田)