2023年12月18日に洗足学園小学校を訪問し、授業を参観させていただきました。赤尾綾子 教頭先生が前もって子どもたちに「昼休みに自分のiPadの活用方法を紹介してくれる人はBase_Cに来てね」と伝えてくれていたので、たくさんの子どもたちがやってきて次々に自分のiPadの活用方法を教えてくれました。
iPadの背景は好きな写真に
「オムライスが大好き!」と言う子が、iPadのホーム画面の背景をアップのオムライスの写真にしていました。毎日、写真を変えていると言っていました。
オムライスの写真がよく見えるように、アイコンをどかしてありました。これ、大人でも「推しの写真をいつも見ていたい」とスマホで同じことをやっている人を知っています。子どもも同じなんだなあと思いました(あるいは、そういう大人を見てアイデアを得たのか…)
それと、ホーム画面の背景に大事なことを表示させている子もいました。大事な予定が表示されるようにしておけば、iPadを使うたびに目に入って忘れません。「12月18日の昼休み base_Cへ行く!」と、この昼休みの予定を書いてくれている子もいました。
同じ要領で「授業中に関係ないことをしない」と自分へのメッセージを書いている子もいました。
自分の使いやすい環境を自分で作ることは、主体的なiPadの使い方だと思います。こうしたiPadの使い方を先生方が子どもたちに認めていることで、子どもたちは「自分に合った環境を自分で考えて作ってもいいんだ」というとても大切なことを学べていると思います。
日記漢字係
係活動のためにiPadを使っている子たちもいました。日記漢字係をしているという子が、みんなの日記の提出状況を把握するためにGoogleスプレッドシートを使っていました。提出状況をプルダウンで選択できるように設定してありました。こういうちょっとした工夫まで自分たちでできるのはすごくいいと思います。
自分の趣味のアプリを使う
「これ、すごくないですか!?」と男の子が見せてくれたのは、東京都内の電車の動きが見えるアプリ「Mini Tokyo 3D」でした。好きなものをとことん突き詰めるためにiPadを使うのもとてもいいと思います。
また、画面上に世界各地の時計を表示させている子もいました。とてもユニークでおもしろいと思います。大人のスマホもホーム画面は一人ひとり全然違うように、子どもたちのホーム画面もそれぞれの個性があって、見ていておもしろいです。
自分のカレンダーを使う
洗足学園小学校の子どもたちのiPadの使い方でいちばんおもしろいなと思ったのは、iPadのカレンダーの使い方です。学校の行事のカレンダーや時間割として使っているのではなく、宿題や持ち物、係活動でやらなくてはいけないことなどを、子どもたちは自分個人の予定ややることをiPadのカレンダーに入力していました。
一人1台のiPadをいつでも使えるようになっているので、自分のタイミングで取り出して見ることができるからこその使い方です。
カレンダーに予定を入れているだけでなくて、直前になったら通知が出るようにしたり、自分たちで考えてしている子もいました。こうした使い方をしているのを見ると、文房具として使っているな、と感じます。
ショートカットの設定を自分でする
もうひとつ、自分のiPadでショートカットを設定している子もいました。「AirDropの設定って、何回もタップしなくちゃいけないのが大変だから、1タップでいけるようにショートカットを作りました!」と言っていました。
ショートカットを上手に使えるようになると、1タップで新しくカレンダーに予定を入力したり、自分なりにiPadを使いやすく改造していくことができます。これもまた、自分に合った学習環境づくりの一環だと思います。
Scratchを自分で究める
Scratchをはじめ、好きなプログラミングをどんどん突き詰めている子もいました。「自分がやりたい」と思ったことをきっかけに、どんどんのめり込んでいって、その様子を見てクラスの友達が影響を受けて…というのが学校の良いところだと思います。
自発的に作ったポートフォリオ
ロイロノート・スクールは、自分でカードを増やしていくことができるので、自主学習でも使うことができます。学校の授業でいままでやったことを自発的にまとめている子もいました。
日々、自由研究ノートを作ることもできます。こうして、デジタルで考えたり表現したり取り組んだりしたことがポートフォリオとして残っていき、いつでも参照できるのがいいと思います。
有志の先生と子どもたちによる「ICT_café for kids, for teachers」
この日の昼休みには、Base_Cの隣にある広間で「ICT_café for kids, for teachers」という不定期のイベントが行われていました。有志の先生が講師になって、アプリの使い方を紹介してみんなで作ってみる回が不定期に行われているそうです。この日は、1年生から3年生が集まって、Clipsを使ってムービーを作っていました。子どもたちだけでなく、先生たちも一緒に学んでいました。
子どもたちのスキルアップと同時に、先生方のスキルアップもできる、良い試みだなと思いました。
No.7に続きます。
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(為田)