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東北大学と東京書籍、ACCESS、日本マイクロソフト「小・中学校におけるデジタル教科書 学習履歴データ収集と分析」

 マイクロソフトのリリースで、「東北大学と東京書籍、ACCESS、日本マイクロソフト「小・中学校におけるデジタル教科書 学習履歴データ収集と分析」を読みました。
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 文中にある、以下の部分について、本当にそのとおりだと思います。

文部科学省による「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議の最終まとめが2016年12月16日に提出され、2020年からデジタル教科書の導入が順次進んでいくと予想されています。デジタル教科書・教材の一般的な特長としては、「主たる教材である教科書を中核とした良質な学習コンテンツ」であることを前提とした上で、「音声による読み上げ」、「動画による視覚的な説明」、「文字や図版の拡大と縮小」など理解のしやすさの向上が挙げられます。これらに加えて、児童生徒がデジタル教科書を使用することで、「いつ、どのページをめくったのか」、「教科書・教材の、どの部分を注視したのか」、「何を書き込んだのか」などの学習履歴データの取得が可能となります。この学習履歴データを利用すれば、データに基づいた的確なフィードバック、学年や校種を越えた継続的な指導を行うことができるという期待が高まっています。


東北大学と東京書籍、ACCESS、日本マイクロソフト「小・中学校におけるデジタル教科書 学習履歴データ収集と分析」 - News Center Japan

 デジタル(デジタル教科書)にはデジタルの強みと弱みがあり、アナログ(紙の教科書)にはアナログの強みと弱みがあります。まずはここを明確に認識すべきだと思っています。
 そのうえで、児童生徒が教科書の「いつ、どのページをめくったのか」「どの部分を注視したのか」などのデータを記録し、全国的にシェアをし、授業設計やカリキュラムマネジメントに役立ててもらうようにするというのは、デジタルにしかできないことです。
 この学習履歴データの収集と分析は、本当に興味深いです。これは「デジタル教科書が有効か」という狭い課題設定ではなくて、「教科書のどの部分が学習者にとって機能しているのか/機能していないのか」ということを課題として設定しているのだと思います。
 選ばれた教科は小学校 算数(1~6年)、社会(3~6年)、中学校 数学(3年)です。2018年3月までの調査機関ですので、その後の成果発表に着目したいと思います。

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(為田)