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渋谷区立原宿外苑中学校 授業レポート(2025年6月26日)

 2025年6月26日に渋谷区立原宿外苑中学校を訪問し、森静香 先生が担当する3年生の英語の授業を参観させていただきました。この授業は、渋谷区教育委員会の外国語担当者研修の公開授業となっていて、参加者の先生方と一緒に授業を参観しました。

 ホワイトボードにはこの日の授業で行う内容が、「Yomi Tore(読みトレーニング) #19」「ELSA Unit3 Part1 単語 or 音読」「Textbook P31-32」「Activity」と並べて書かれていました。

 最初に「Yomi Tore(読みトレーニング) #19」に取り組みます。生徒たちは副教材『読みトレ100』を開いて、No.19の英文を読んでいきます。森先生は電子黒板にストップウォッチを表示して、生徒たちが読み始めると同時にスタートします。
 生徒たちは線を引いて意味をチェックしながら英文を読み進めていきます。英文を読み終わったら、生徒たちは電子黒板のストップウォッチを見て、かかった時間をチェックして、『読みトレ100』についているWPM(Word Per Minute)の表に記録を書き込んでいきます。

 次に森先生は、電子黒板に指導者用デジタル教科書の「Unit 3 How can we save animals?」のページを映します。教科書の英文を読んでみて、「animals in danger」とはどういうことか、どうやったら動物を救うことができるのか、近くの人とグループになって話し合いをしてもらいます。
 その後で、指導者用デジタル教科書に収録されているPreviewアニメを再生します。動物園に来ているエディと理子の対話を聴いて、どんなことを話していたかをグループで共有します。

 森先生が「知らない単語がいくつか出てきたと思うので、今日はそれをELSAでやりましょう」と言って、「ELSA」のパートに入ります。
 教科書本文に出てきた単語の中から「dangerの“a”の発音は、日本語の“エ”じゃなくて、“エイ”ですよ。ELSAをやるときにも気をつけてください」というようにコメントをしていきます。他にも、「endangered」や「destroy」など、発音に注意してELSAで練習してほしい単語を紹介してホワイトボードに書いていきます。

 生徒たちは自分のSurface Go 2でAI英会話支援サービス「ELSA Schools」を起動して、読みの練習をします。森先生は事前に教科書の「Unit3 Part1」の英語本文と新出単語をELSAに入力して、「Unit3 Part1 単語」と「Unit3 Part1 音読」の2つの学習セットを作っていました。ELSAに教科書の英語本文を入力すると、本文を読み上げる音声や、単語を練習する際の音声やクイズの選択肢などをELSAが自動で生成してくれます。
 生徒たちは、ELSAを聴いて単語の練習を始めます。教科書の英語本文で出てくる新出単語の発音・意味・スペルを、自分のペースでくりかえし練習することができます。単語の発音は、再生スピードを変えることができるので、ゆっくり再生して聴き直すこともでき、自分の習熟度に合わせて学習をすることができます。一人ひとりが英語音声を聴き取りやすいように、イヤホンをしてELSAに取り組む生徒もいました。

 この後で、ELSAで発音の練習をした単語を使う音読の活動に入ります。絶滅の恐れがある動物を集めた架空の動物園「Harajuku Gaien Red List Zoo」で、動物を紹介する音声案内を録音してもらいます。
 生徒に一人1枚、動物の名前、写真、音声案内の原稿が書かれたカードが配られます。生徒たちは、自分の担当する動物のカードに書かれた音声案内の原稿を、PowerPointを使って録音します。

 5分ほど音声案内の原稿を読む練習をしてから、PowerPointのスライドを開いて音声案内を録音します。森先生は、「録音はやり直しが何回でもできるから」と生徒たちに伝えていました。自分のSurface Go 2を使って録音をするので、失敗しても何度でも録音をやり直すことができ、生徒たちにとってはチャレンジしやすい環境になっていると思います。

 音声案内を録音できたら、それをみんなで聴き合う時間をとります。動物の写真を置いてブースを作り、生徒たちは自分の担当の動物のところに、音声案内を録音した自分のSurface Go 2を置いていきます。生徒たちはワークシートをもって教室内を自由に歩き回って、それぞれの動物のブースで録音された音声を再生して聴いていき、気づいたことや良かったことをメモしていきます。

 教科書の新出単語や本文の発音をELSAを使って自分の習熟度に合わせて自分のペースで練習して、最後に音読の練習の成果として動物園で使う音声案内を録音するプロジェクトが完成するという構成の授業は、「英語を使う」場面が用意されていたことで生徒たちのモチベーションが高い授業だったと思いました。

 協議会&指導講評レポートへ続きます。

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(為田)