弊社フューチャーインスティテュートは淑徳小学校放課後クラブ「淑徳アルファ」内で、コンピュータを使ってさまざまな活動を行う授業「カズトロジー」を実施しています。3年生のクラスでは、2026年1月から3月にかけて9週にわたって、ドローンTello EDUを使って動画を撮影し、その動画をCanvaで編集するプロジェクトに取り組みました。
子どもたちが新しいテクノロジーを実際に使う場面をできるだけ作りたいと思って、ドローンを自分の手で操縦する機会、動画を編集する機会を作るようにしています。
1回目:ドローンを屋内で練習する
1回目の授業で、ドローンを飛ばすことを伝えると、「やったー!」という反応があがります。ドローンのことを知っていても、自分で操縦したことがない子がほとんどです。最初は室内でドローンを飛ばす練習をします。
3年生の3学期のクラスは8人なので、ドローン1台とバッテリー2つ(26分飛行が可能)を使って、一人2分30秒ずつ順番にドローンをiPadで操縦するようにしました。
「壊してしまうかも…」「上手に飛ばせないかも…」と不安に思っている子もいるので、「毎年、壁や天井にぶつけてしまったり、プロペラが欠けてしまったりということはあるけれど、わざとじゃなければ多少の失敗は大丈夫ですよ」ということを伝えています。
順番を自分たちで決めて、離陸・着陸と前進・後退・上昇・下降などの簡単な操作だけを教えてドローンを飛ばしてもらいます。最初は「うまく飛ばせるかな…」「どうやったらいいかわからない…」と不安そうな子どもたちでしたが、すぐに慣れて飛ばせるようになりました。
最初は苦手だな…と思っている子も、どんどん上手になっていきます。「チャレンジしてみよう」「最初は失敗しても、次はちゃんとできるようになる」という姿勢を育てると思っているので、チャレンジの場をクラスで共有するようにしています。

子どもたちは、自分がドローンを飛ばしている時間以外にも、ドローンがどんなふうに飛ぶのかを見たり、操縦している子のiPad画面を見たりしながら、自分がドローンを飛ばすときのイメージトレーニングをしていたようでした。こうした活動は、少人数のクラスだからこそできることです。
2回目~4回目:ドローンで動画を撮影する
2回目から4回目の授業では、ドローンのカメラで動画を撮影します。ドローンの操縦に子どもたちが少しずつ慣れてくるので、教室を出て廊下や校庭などをドローンで探検しながら動画を撮影します。「トイレとか、プライバシーのあるところは入ってはいけないよ」と注意をして、撮影をスタートします。
iPadにドローンのカメラの映像が表示されるので、操縦している子はどんな映像が見えているのかがわかるのが楽しいです。校庭に出ると、風が吹いて思い通りに操作できなかったりということも起きます。ジャングルジムを通り抜ける映像なども、みんなでわいわい応援しながら撮影しました。

5回目~9回目:撮影した動画をCanvaで編集する
5回目の授業からは、ドローンで撮影した動画を素材にして、子どもたちはCanvaで動画を編集します。子どもたちがドローンで撮影した素材をCanvaのフォルダにアップロードしておいて、一人ひとり自分のコンピュータでドローンで撮影した動画を見てもらいます。その後で、どの動画を編集するかを決めて、使いたい動画をドラッグしてタイムラインに入れていきます。
一人がドローンを飛ばしている2分30秒間をずっと録画した動画が、最初の素材になります。要らないところの前後でページを分割して不要なところはページを削除する方法を説明すると、みんなそれぞれに自分が選んだ動画から不要な部分を削除していきます。操作を覚えてくると、新しく動画をタイムラインに入れて他の人が撮影した動画とつなげる子も出てきました。

6回目の授業では、ナレーションの入れ方を紹介しました。ヘッドセットを使って、ドローンで撮影した動画に実況中継のようにナレーションを入れてみる子が多かったですが、そのあとでテキストボックスで字幕やセリフをつける方法を紹介したら、ナレーションよりも字幕の方が好きだったようでした。「なんか、はずかしい」と言っていました。それと、ナレーションの録音が一発録りになってしまって、直したりするのも大変だということもあるのかな、とも思いました。
字幕やセリフをつけるのは、子どもたちはとても上手です。テレビ番組やYouTube動画などで、字幕をたくさん見ているので、タイミングよく字幕をつけるという感覚がけっこうあるのだと思っています。最初はただテキストを入力していただけですが、タイムラインで表示するタイミングを調整したり、字幕の色を見やすいように変更したり、アニメーションをつけたり、オーディオを入れて、BGMや効果音をつけたり、いろいろなことを自分たちで試してやっていきます。

みんなが操作に慣れてくると、「これ、見て!おもしろくない?」と編集した動画をみんなで見せあって、「それ、どうやったの?」とやり方を教えてもらって、というふうになってきます。もちろん、「動画編集、めんどくさい…」と言う感想も聞きますが、慣れ親しんでいるテレビ番組やYouTube動画などがどうやって作られているのかを体験できていいのではないかと思います。
自分たちで撮影した動画を、自分たちで編集して、みんなで見合うという体験は、作ることの楽しさを感じられるものだと思います。動画を作るスキルというだけでなく、ものづくりの一つの選択肢として、この体験をもって4年生に進級してもらえたらいいなと思いました。
(為田)