教育ICTリサーチ ブログ

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藤沢市立鵠南小学校 校内ICT職員研修レポート(2026年8月31日)

 2026年8月31日に藤沢市立鵠南小学校の校内ICT職員研修に講師としてお招きいただきました。ICT担当の先生から「テーマ1 情報モラル・生成AI」と「テーマ2 校務負担軽減」の2つのテーマをリクエストしていただいていたので、先生方のChromebook端末で「生成AI」と「校務負担軽減(のための活用方法)」を実践的に体験してもらえるように考えてみました。

 「テーマ1 情報モラル・生成AI」に含まれている「情報モラル」は、子どもたちが情報モラルを知識として知るだけではなく、実際に教室で「情報モラル」を使って判断するような場面が増えるように、授業のなかでICTを活用する場面を増やしてほしいということを伝えました。小学校段階では、教室でクラスメイトと先生と一緒にICTを使うことで、小さい失敗をたくさんしながら情報モラルを身につけていくことが大事だと僕は思っています。良くない使い方をした子にきちんと説明をしたり、「どうしていけないのか」「どうしたらよかったのか」ということをクラス全体で考えたりする場面ができるといいと思います。
 授業のなかでICTを活用する場面を増やすためには、「何のためにICTを活用するのか」を考えることが大事になるので、ICTを目的をもって活用しているさまざまな授業事例を紹介していきました。そのあとで、「なぜICTを使うのか」ということを類型化して紹介しました。

 「テーマ1 情報モラル・生成AI」に含まれている「生成AI」と「テーマ2 校務負担軽減」については、Geminiでどんなことができるのかを実際にプロジェクタで画面を映しながらデモンストレーションしていきました。
 Geminiを開いて、「鵠南小学校で、生成AIを活用する事例を60分の研修で紹介したいと思います。3つの案を出してください」とプロンプトを書くと、すぐに3つの案が表示される様子を先生方に見てもらいました。Geminiが出してきた案を叩き台にして、先生方の経験や知見、学校の方針などを加えてブラッシュアップしていくことができるということを伝えました。
 他にも、子どもたちに出す少し応用的な課題もGeminiにお願いするとどんなふうにまとめられるのかを見てもらうために、「徳川家康と徳川家光の政治を、経済・軍事・外交の3つの側面で比較して表でまとめて。 」という課題をGeminiにやってもらうこともしました。

 さらに、Googleの出している「学校のためのプロンプト ライブラリ」から、「こういうことができますよ」というプロンプトをいくつか簡単に紹介して、先生方に自分の端末でGeminiを起動して生成AIを自由に使ってみる時間をとりました。
 参加している先生方が一人ずつ、自分の思うとおりに生成AIを活用してみる時間をとるのは、こうした夏休みの校内研修のような場の方があっていると思います。新学期が始まればなかなかこうした時間はとるのが難しいと思います。
先生方はいろいろなプロンプトをGeminiに投げかけていました。Geminiが返してきた結果を近くの先生方と見合ってわいわいと話し合う場面がたくさん見られました。その過程で、Geminiの得意なところと苦手なところが見えてくると思います。
 最後に「生成AIを使ってやってみたこと」と「やってみた感想」を書いて、ロイロノート・スクールで提出してもらいました。参加していた先生方がGeminiを使って一人ひとり全然違うことをやっているので、たくさんのGeminiの活用事例をロイロノート・スクールの提出箱にまとめて共有することができました。

 先生方がロイロノート・スクールで共有してくれた、Geminiを使ってやったことをいくつか紹介します。学校での実務的なことについてAIを使っている先生が多かったのが印象的でした。

  • 今朝中学校の息子に伝えた言葉が、どうだったか評価をしてもらいました。すばらしい言葉!と褒めてもらえて自己肯定感があがりました。
  • なんとなく気になったことや、思ったことを漠然と質問しただけで、いろいろ教えてくれるので、質問しながら自分の考えもまとめることができた。
  • 教室のカビの掃除方法について聞きました。出してもらった掃除方法を確認して、代替できる物品はないかを聞きました。全部自分で調べると膨大な時間がかかるので、とても助かりました。聞いていない今後の対策まで教えてもらえました。
  • 「超・夏休み伝説ビンゴ!」を作ってみました。
  • 指導案を作る前に使ってみればよかったなぁ、と思いました。でも今できている指導案を見てもらって、修正してもらえることが分かったので、早速みてもらいたい。
  • 運動会の応援団の盛り上げ方をききました。まだ聞いている途中です。
  • 11月の6年生の音楽会成功に向けての、授業計画を相談してみました。今まで、「あれやらなきゃ」「これやらなきゃ」「あれはどうしよう?」と脳内でもやもやと考えていたことを文字に可視化しながら、アイディアをたくさん瞬時に出してくれて、11月まで、悩んだときにはたくさん相談しようと思いました♪

 最後に、ロイロノート上で質問とふりかえりのコメントを書いて提出してもらいました。先生方に書いてもらった質問には、研修の時間内でできるだけの回答をしましたが、すべてに回答することができなかったので、後日文書で回答をしました。研修の時間内で答え切ることができなくても、その後も継続して回答ができるのもICTの良さだと思っています。

 今回の研修でいちばん印象的だったのは、先生方がGeminiを実際にみんなで使ってみる時間でした。「みんなで操作を学ぶ」という感じにするのではなく、先生方一人ひとりが自由に使ってみて、「どんなふうにGeminiが返してくるのか」ということを体験して、その成果を共有できたことがよかったと思います。
 この先生方の体験が、「子どもたちにAIをどんなふうに使ってほしいのか」ということを考えるときの土台になると思います。そしてそれは、AIだけでなくもっと広い範囲でICTをどう子どもたちに使ってもらいたいか、ということにも繋がっていくだろうなと思いました。

(為田)