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工学院大学附属中学校・高等学校 図書館訪問レポート No.3(2019年10月4日)

 2019年10月4日に、工学院大学附属中学校・高等学校の図書館を訪問し、有山裕美子 先生にお話を伺いました。

 図書館に入ってすぐのところに、ファブスペースが設けられていました。なぜ図書館にファブスペースを作ったのですか?と有山先生に質問すると、「興味のない子にも知る機会になる」「3Dプリンタのことを知ることができる」ということを理由に挙げてくださいました。
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 ファブスペースは部活動をするスペースですが、いつでも来られるようにオープンになっています。有山先生は、このファブスペースを「ここに行くと問題が解決できる場所。思いついたらすぐできる場所。」と表現していました。
 すでにさまざまな問題解決をこのファブスペースで行っています。例えば、文化祭の模擬店で焼くクッキーの型をオリジナルで作りたいということで、3Dプリンタでクッキーの型を作りました。また、棚に合うちょうどいいパーツを、サイズを測って作りました。
 こうした、市販はされていないがあれば便利なものを、校内で自分たちで作って問題解決できるというのは、まさしく書籍『MAKERS』で紹介されていた世界だと思います。また、生徒たちにとってこうした体験は、「自分たちでできる」という自信を深めてくれるものだと思います。
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MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

 3Dプリンタを使うときは、事前に利用を申し込むようになっています。申込用紙もファブスペースの棚に用意されていて、そこに必要事項を記入して、先生からOKをもらうと3Dプリンタを使うことができるそうです。
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 「デザイン思考」の授業で、「誰かの役に立つものをデザインしよう」という課題が出たときに、机にひっかけて消しゴムのカスを回収するものをデザインし、3Dプリンタで作成したそうです。
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 他には、スイカを食べるときに種をとるのがきらいという生徒が、スイカの種をとる器具を作ったと、有山先生に動画を見せてもらいました。「スイカの種をとるのがきらい。そこを何とかしたい」という自分の動機から、問題解決をしているのがすばらしいと思います。
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 こうして、自分たちのアイデアをすぐに形にできる場が学校にあるのは素晴らしいと思います。
 生徒たちは、3Dプリンタ以外でも、「どんどんものを作って発信していきたい」と言っていました。ICTを活用すれば、どんどんできることは増えていくと思います。電子書籍を作り、みんなが読めるようにすることもそうですし、3Dプリンタでの問題解決もそうです。今後、ゲームを作って販売というようなこともできるかと思います。
 すでに、学校にあるグリーンバックスクリーンを使って撮影した動画を、YouTubeで「ちーむべりーぐっど」として発信している生徒たちもいます。
www.youtube.com

 工学院大学附属中学校・高等学校の図書館は、書籍ですでにある知識を得る場というだけではなく、自分たちで作り、発信する場にもなっています。プログラミングや3Dプリンタなどのデジタル系だけでなく、絵や言葉を創造し、発信していくこともできるようになっていくと思います。図書館が、それぞれの得意なところを出し合って、何かを作り出す場になりつつあると思います。

 No.4に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)