教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

ICT×美術教育 #01: 写真加工を使って、色味のある世界を白黒にデッサンする感覚をつかむ

 教育ICTリサーチブログを主宰しています、為田です。今回から、僕の会社のスタッフの連載を始めたいと思います。多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科を卒業後、フューチャーインスティテュートに入社。教室でのインストラクター、学校現場での先生のサポート、カリキュラム作成のコンサルタントなどを、僕といっしょにやっている仲間です。
 「ICTを使って、美術の授業がどう変わるか、というのを、現場で教えてきたノウハウと、美大で学んできたノウハウを、橋渡しして先生たちに教えよう。美術の時間だけでなく、いろいろな授業でも応用できるともっといい」というリクエストをしています。連載シリーズ化していきますので、皆様どうぞ、よろしくお願いします。(為田)

 フューチャーインスティテュートの前田です。美大卒の教育コンサルタントです。この連載では、ICTを使ってこんな授業ができるのではないかというアイデアを紹介していきます。

 今回は、美術での授業案です。美術は、授業数が他の教科よりも少なく、週1~2コマしかないので、授業は、できるかぎり児童生徒が作品を制作する時間に充てることが多いかと思います。そういった状況である美術でのICT活用というと、多くあるのがICTを使って作品を制作する授業だったり、ネット上にアップされている作品の鑑賞だと思います。今回はこういった使い方ではなく、これまでのアナログの作品を制作する中で、児童生徒に「どう描けばいいか」というメソッドを理解してもらうことを目的としたICT活用法を紹介します。

 高校の美術の授業では、デッサンをやることがあると思いますが、普段見慣れている色のある世界を、鉛筆でモノクロの世界に描くことは、自分の頭の中でカラーからモノクロへ転換させる必要があるので、どの程度鉛筆の色をのせたらいいのか感覚がつかみづらく、言葉で説明してもなかなか伝わりにくいものです。
 そこで、色のある世界をモノクロにした場合、どんな風になるのかを、ICTを使って説明をし、感覚をつかんでもらいます。事前に題材として用いる写真を撮影しておき、その写真を、元データのカラーのままのものと、モノクロに加工したものを用意します。用意しておくのは、これだけなので、先生の授業準備の負担も少なくてすむかと思います。


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 デッサン制作に入る前に、用意しておいたカラーの写真とモノクロの写真を提示しながら説明をすると、色味のある世界を白黒にデッサンする感覚がつきやすくなると思います。もし、時間に余裕がある場合は、デッサンをやっている途中段階で提示説明することで、その時点での自分のデッサンの色の乗り具合を確認する観点をみにつけられると思います。
 デッサンすべてをICTでやる必要はありません。導入部分で色に関しての説明をすることで、「色のある世界をモノクロにする」視点を身につけてもらって、そこからデッサンに必要な観点の、光・形・空間・構図などについて説明をし、デッサンを実践していく、という流れになるかと思います。

 美術の授業は、時間数が少ないからこそ、絵を描くための技術やノウハウを、より的確に伝えることが必要になるかと思います。そこでICTを活用することで、より効果的に伝えることが可能になるものがあるかと思います。

(前田)