教育ICTリサーチ ブログ

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さとえ学園小学校 授業レポート(2019年4月15日)

 2019年4月15日に、さとえ学園小学校を訪問し、須田智之先生が担当されている3年2組の算数の授業を見学させていただきました。この日の授業のめあては「かけ算のひっさんをマスターしよう」。「“マスターする”、というのは、やり方を考えたり、伝えたり、説明したりできるということです。Qubenaで問題を解いて、説明を読んで、ノートにまとめて、発表するという授業をしましょう」と、授業の最初に須田先生は子どもたちに説明していました。
 
 さとえ学園小学校では、一人1台のiPad環境を実現しています。子どもたちは自分のiPadを取り出し、Qubenaを起動します。須田先生の指示にしたがって、「ラーニング」→「問題を探す」→「8章 筆算(かけ算)1」をタップして、問題に取り組み始めます。
 須田先生は「15分間、問題をやってみて、そのなかで筆算のやり方をマスターしてください」と言います。Qubenaでは、出題される問題を解くと自動採点がされます。
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 どんどん先に進んでいくと、「新しい解説があります」というメッセージが画面に出て、解説が表示されるようになっています。解説部分では、教科書に書かれている問題の考え方や解き方が段階を追って読めるようになっています。ただ問題が自動出題・自動採点されるのではなく、こうして解説が入ることで、理解を深めていけるように設計されています。
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 須田先生は、「18x9の問題をノートでひっ算で解いて、発表してもらいます。2桁x1桁のところまでQubenaで解き終わったら、ノートにまとめてくださいね」と言います。iPadでQubenaを使って学習しているからといって、授業中にノートなどを使わないわけではありません。“ノートにまとめる”というこれまでの算数学習で大切にしてきたものはそのまま残して、子どもたち一人ひとりの理解と進度に合わせて、問題を出し分けることができるQubenaの良さを組み合わせる形での授業になっていました。
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 先生は手元のiPadでQubena Managerを開き、子どもたち一人ひとりの理解度や進捗度をチェックしています。計算が苦手な子は、先生が近づいていくとやっているところを隠したりしてしまうこともありますが、手元の画面で進捗度を確認したうえで、子どもたちの性格に合わせて、どのように声掛けをするかを先生の方で選ぶことができるのは、いい点だと思いました。

 一人ひとりが自分の理解度に合わせて学習を進めていくので、クラス内での進度がバラけますが、須田先生は、「ノートにまとめる時間が足りない人は、他の人の話を聞いてください」と言っていて、クラス全体で筆算の解き方について考える時間へ導いていました。
 「何を書くかわからない子がいるので、こんな感じ、というのを書いておきます」と言って、黒板にまとめ方の例を須田先生が書くことで、手を動かし始めている子どももいました。何人かに説明をしてもらって、クラス全体で、この日の授業のめあてである「かけ算のひっさんをマスターしよう」に取り組んでいました。
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 終了後に、自分のiPadで黒板の写真を撮影している子たちが多かったです。ノートに自分でまとめてもいますが、それと別に、先生とクラスメイトと一緒に考えた過程を撮影しておくことが、iPadによって可能になっています。こうした学びの方法は、まだ目新しいですが、この3年生がこれからiPadを学びの道具として身近なものとして使いつつ、上級生に上がっていくときに、さとえ学園小学校ならではの学びの形ができてくるのではないかと思いました。
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 さとえ学園小学校は、全校で一人1台のiPadを持っているということもそうですし、校内に水族館があるなど、ユニークな学びの環境を作っている小学校なので、他の授業も見学させていただきに行こうと思っています。

(為田)