2023年7月7日に戸田市立新曽小学校を訪問し、山内紗綾 先生が担当する5年4組の算数「形も大きさも同じ図形を調べよう」の授業を参観させていただきました。子どもたちは授業で学んだ合同な図形を作図する方法を使って、自分たちでやってみたいことを考えて活動していました。
子どもたちはグループに分かれて、自分たちでやってみたいことを考え、ロイロノート・スクールのワークシートにまとめていました。「図形のカードゲームを作る」「合同な図形のパズルを作る」「三角形~二十角形を書く」「スクラッチで三角形、四角形と五角形を書くことができるプログラム」「Scratchでどんな図形でも書けるプログラムを作る」などのアイデアが出ていました。
自分たちでアイデアを出したら、そこからは実際に手を動かしていきます。アイデアを出すところで終わるのではなく、実際に自分たちで実現させるために活動することで、子どもたちの「自分ごと」になり、モチベーションが上がると思います。
ChromebookでScratchのプログラムを組んでいるグループもありました。Scratchの画面での長さと実際の長さが同じではないので、Chromebookの画面に定規を当てて考えている子たちがいました。定規だけでなく、分度器を当てている子もいます。
こうしたさまざまな試行錯誤を授業のなかでできるようにすることが大切だと思います。先生が「それはこうしたらいいと思うよ」と簡単に答えを提示してしまうのではなく、子どもたちが自分たちで挑戦する時間をとることが大事です。結果としてうまくいかなかったり、意味がなかったりしてもいいのだと思います。そうした体験自体に意味があると思います。
Chromebookを使うからと言って、プログラミングをするだけではありません。「図形を使ったカードゲームを作りたい」と言っていたグループは、カードゲームにどんな道具と要素がいるかを考えて、ロイロノートに書き出していました。ゲームのサポートカードとして、「コンパス」「定規」「分度器」「三角定規」というのを用意して、プレイヤーがそれらのサポートカードを手に入れていくと合同の図形が描けるようになる、というゲームを考えていました。どの図形を描くのに、どのサポートカードが必要かということを考えることが、合同の図形の描き方の復習に繋がっていると思いました。
デジタルを使わないで、アナログのパズルゲーム作りに取り組んでいるグループもありました。山内先生は画用紙などもたくさん用意していて、子どもたちはどんどん図形を描いていました。
ノートに練習問題を解くよりも、ずっとたくさんのいろいろな種類の図形を自分で描いて、友達が描いたいろいろな種類の図形を見ることもできるのが、この授業の良いところだと感じました。
子どもたちのさまざまなアイデアを実現するために、山内先生は教室を回って、それぞれのグループに声掛けをし、子どもたちの活動をサポートしていました。
合同な図形を作図する方法をただ知識として知っているだけではなく、それを活用してScratchのプログラムであったりカードゲームやパズルゲームなど、何かの形を作り出すことに繋がっているのが印象的な授業でした。ただの手続きとして合同な図形を描けるだけでなく、その周辺の知識も否応なく使う場面が出てくるので、子どもたちが自分たちで決めた課題をやりながら既習知識を学び直したり確認したりできるのではないかと感じました。
No.2に続きます。
blog.ict-in-education.jp
(為田)