教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

書籍ご紹介:『本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話』

 苫野一徳 先生・岩内章太郎 先生・稲垣みどり 先生の共著『本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話』を読みました。帯に、「「言いっぱなし」でも「論破!」でもない、真に生産的な対話をもたらす哲学の奥義”本質観取”とは?」と書かれていて、自分の問題意識にぴったり合致したからです。

 序章で、本質観取とは、「物事の”本質”をつかみ取るための思考法」(p.3)と書かれています。

たとえば、幸せとは何か?自由とは何か?正義とは、愛とは、友情とは、希望とは、よい社会とは、よい教育とは何か?
こうした問いに、「なぁるほど、それは確かに本質的だ」と誰もがうなってしまうような考えを見つけ出し、それを言葉に紡いでいくこと。それが本質観取の営みです。
この本質観取を、複数人の対話形式で行うと「本質観取の哲学対話」となります。
本書がお伝えするのは、主としてこの「本質観取の哲学対話」の理論および実践の方法です。もっと平たく言えば、哲学的な思考と対話の、まさに”本質”、そして種々の”コツ”をお伝えすること。それが本書の目的です。(p.3-4)

 哲学対話だけでなく、より広く学校の授業や教員研修などでのファシリテーションにも応用できそうなことをたくさん学べました。

 全体像を丁寧に紹介されているのですが、本質観取の手順をまとめたところをメモしておきます。

本質観取の手順(p.96)
(0)テーマ決め/グランドルールの確認
(1)問題意識の確認と目線合わせ
(2)さまざまな体験例、具体例を出す
(3)キーワードを見つける
(4)本質を言葉にする
(5)最初の問題意識や、途中で生まれてきた疑問点に答える

 読んでいて、パターン・ランゲージを研究している井庭崇 先生の名前も出てきました。

「パターン・ランゲージ」という、さまざまな実践の「コツ」を抽出し、「やってみたくなるヒント集」をつくる研究の第一人者である井庭崇さんも、哲学の方法としての本質観取のパターン・ランゲージをインターネット上に公開されています。(p.95)

 本質観取のパターン・ランゲージは以下のnoteで公開されていました。このあたりも勉強していきたいと思いました。

note.com

 哲学対話の授業も、いつか挑戦してみたいなと思います。ついいろいろ口出したくなってしまう僕には、苦手分野だと自己評価しているのですが、いつか、ぜひ。

(為田)