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京都教育大学附属桃山小学校 授業レポート No.4(2018年12月11日)

 2018年12月11日に、京都教育大学附属桃山小学校を訪問し、木村明憲先生が担任する5年1組の授業を見学させていただきました。

 3時間目は理科でした。前の時間に、電磁石の強さについての実験をしていて、今回は実験結果について話し合う時間でした。児童は、実験の結果をロイロノート・スクールを使って、撮影した写真も合わせてまとめていました。
 このように写真などを合わせてまとめるときには、ノートやプリントよりも、ずっと効率的にまとめることができるように思います。
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 個人でやった実験の結果と考察をまとめていきます。No.1で紹介したとおり、5年1組では教室のホワイトボードに書いてあるとおり、内容によってロイロノート・スクールで使うノートの色を変えています。
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 全部で3つの実験を行っていました。例えば、実験1は「電池の極を変えたら、方位磁針はどうなるか?」でしたが、その結果をまとめるのは事実なので、黄色のノートにまとめます。その実験結果を受けて、「…ということは?」ということをまとめるのは、考え(考察)になるので、ピンクのノートにまとめます。
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 「実験はこういう結果だったけど、こうやったらどうだろう?」と批判的に書くことを木村先生はアドバイスしていました。追加で実験をしている児童もいました。同じ教室のなかで、一斉に実験をして、終わったらやり直しができない、というのではなく、必要であればもう一度やり直してみたりもできる環境があるのは、大切なことだと思います。
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 実験1は「電池の極を変えたら、方位磁針はどうなるか?」、実験2は「電池が2個のときはどうなるか?」、実験3は「コイルの巻き数の違いで、何が起きるか?50回巻くのと100回巻くので何が違うか?」というものです。実験ごとに考察をまとめていきます。
 結果と考察のまとめかたは、表に整理したり、図にしたり、いろいろなまとめ方をしている児童がいました。
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 それぞれの結果のまとめを、隣の人とだけでなく、立ち歩いていろいろな人と交流します。iPadを持って立ち歩いて、好きな場所で交流をすることがOkでした。そのときに、いいまとめは生徒間通信機能を使って、自分のロイロノート・スクールに送ってもらうのもありにしていました。すべて、ロイロノート・スクールが媒介になっていました。こうした使い方も、一人1台のiPadがあるからこそできる使い方です。

 最後に、密集隊形になってプレゼンを行います。木村先生は、みんなでノートを出して、「人の意見を聴くときにメモをとる」ように言っていました。いろいろな形でまとめられている実験結果、まとめ、考察を全員で話し合い、交流することによって、自分の意見に他者の意見を入れていくことを、木村先生は求めていました。
 また、そうすることで、自分の意見をそのまま正しいと決めるのではなく、他者の意見と合わせることで、児童に批判的思考ができるようになってほしい、ということだと感じました。
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 No.5に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)