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逗子市立逗子小学校 授業レポート No.3(2023年2月24日)

 2023年2月24日に逗子市立逗子小学校を訪問し、5年生の総合的な学習の時間の授業を参観させていただきました。SDGsをテーマとして、前期は「SDGsを知る」としていろいろなことを調べ、後期は「SDGsをやる」ということで一人ひとりが課題を設定して、調べる→考える(確かめる)→また調べる→また考える(確かめる)…というプロセスを繰り返すことを目指してきたそうです。

 自分のテーマに合わせて、世界の現状を調べ、そこから自分の理想を考えて、そのギャップを埋めるために何ができるかということを考えていました。
 その過程で、いろいろな企業にも問い合わせをしてみたようです。返信があった企業もなかった企業もあったかと思うのですが、コンタクトをとってみることを学校の授業を機会としてやってみることで、「疑問があったらコンタクトをとってみればいい(答えてくれるところもある)」という経験が子どもたちに残るので、大きな意味があると思います。

 この日は授業参観日となっていて、5年生の各クラスの教室だけでなく、体育館や理科室などの特別教室も含めてたくさんのプレゼンテーション会場を用意し、テーマごとに子どもたちが分かれてプレゼンテーションを行っていました。
 どの教室で誰がプレゼンテーションするかの予定表も配布されていたので、保護者と同級生たちが校内のあちこちにプレゼンテーションを聴きに行く、という授業でした。
 スライドには、文字情報に加えて図表やグラフなども入っていたし、声も聞こえやすく堂々とプレゼンテーションできていたと思います。

 プロジェクタを使って大きく投映して行うプレゼンテーションだけでなく、小グループでChromebookの画面を見せながらプレゼンテーションも行なわれていました。スライド投映用Chromebookと原稿用のChromebookを2台用意するブース発表するなど、子どもたちが自分たちでどういうふうにプレゼンテーションをすれば伝わるかを考えていた様子がうかがえました。

 一人1台のChromebookを持っていることの良さのひとつは、今日のこの活動のようにプレゼンテーションをする機会を大きく増やせることだと思います。みんなの前で発表をするのは緊張してしまっても、机の前にいる2~3人にプレゼンテーションをするのだったらチャレンジできる子もいると思います。そうした子たちにも表現の機会を与えやすくなります。

 また、一人1台のChromebookがあることで、自分のプレゼンテーション資料をいつでも見て、手直しすることもできます。「もっと自分の言いたいことが伝わるようにするためには、何ができるだろう?」と試行錯誤がしやすくなると思います。
 「グラフ、見えるかな?」「字が小さくないかな?」「この文章だとわかりにくいかな?」と自分で何度も見直して、プレゼンテーションを聴いてくれた人に「わかりやすかったよ」と言われることで、「伝えるために努力して、ちゃんと伝わったときはうれしい」という成功体験ができると思います。
 この成功体験は、家庭ではなかなかできません。学校という場でクラスメイトとともに体験するのがいいと思います。その結果として、表現力が上がっていくことにつながっていくと思いました。

(為田)