2024年9月9日に富士見市立針ケ谷小学校を訪問し、授業を参観させていただきました。たくさんのクラスを参観させていただいたので、それぞれ少しずつ様子をレポートしたいと思います。
6年2組 社会
宮脇菜々子 先生が担当する6年2組の社会の授業は「天皇中心の国づくり」の4回目で、めあては「奈良時代の文化はどの国からどのようなものが伝わってきたのか調べよう」でした。
宮脇先生はコミュニケーションアプリに似せた画面デザインをプリントに印刷して配布していました。プリントを見てみると、「日本に文化を伝える団」という名前のグループのチャットになっています。
グループチャットへの書き込みは、「私の名は( )。( )回目の航海の末、日本に来ることができた。まあ、( )を失ってしまったがな…」というふうになっていて、空白の部分が何箇所かありました。宮脇先生は子どもたちに「プリント作ってみたけど、途中で心が折れちゃって、続きをみんなで作ってほしい」と言って授業を進めていきます。子どもたちはこの空白の部分を埋められるように自分で教科書や副教材を調べながら、学習を進めていきます。
宮脇先生は、「プリントをノートに貼ってもOKだし、オクリンクで送ってあるのでそっちを使ってもOKです」と子どもたちに伝えていました。教室には、空白になっている部分を書き込んだプリントをノートに貼っている子もいましたし、オクリンクでページを作っている子もいました。
この授業でやるべきことを子どもたちと確認した後で、宮脇先生は子どもたちに「何分ほしい?」と問いかけて自分たちで学習の見通しを立ててもらっていました。子どもたちからは「20分くらい」と返事があり、その後の20分間で子どもたちは自分たちで教科書や資料集を読み、話し合ったりしながら学んでいきました。
5年1組 はりがや
武井ひより先生が担当する5年1組の「はりがや」(総合的な学習の時間)では、「ビオトープの作り方」についてのプレゼンテーションの準備をしていました。プレゼンテーションの準備として、「みんなで調べた内容をPowerPointにまとめる」ことと「プレゼンテーションのリハーサルをする」ことを2回繰り返しているそうです。
一般的にプレゼンテーションをする授業では、スライドを完成させたらプレゼンテーションのリハーサルをして、声の大きさや目線の配り方など「プレゼンテーション」に関わることを中心に練習することが多いと思います。しかし、この授業でしているように、プレゼンテーションのリハーサルを1回してから、またPowerPointでまとめた内容にも立ち返る、という授業をしていることは多くありません。
プレゼンテーションは練習すればするほどうまくなりますが、それとは別にスライドの内容も推敲することでよくなります。それを授業で実施しているのが特徴的だと思いました。プレゼンテーションで「どう伝えるか」を磨くのももちろん大事ですが、「何を伝えるのか」を磨くのも同じように大事なので、そうしたことを学べる機会になればいいなと思いました。
スライドをまとめているときに、「スライドに音をつけたい」と悩んでいた子がいました。先生に質問したくて挙手していたのですが、先生は他の子の対応をしていたので、対応できませんでした。知りたい操作方法ははっきりしていたので、「PowerPointの上のところの検索ボックスで“スライドに音をつけたい”と入力したらやり方が出るよ」と教えてあげたら、自分でやってみていました。
授業でPowerPointなどのアプリの操作方法を1つ1つ先生に教えてもらうと、ヘルプ機能を使う機会は意外と少ないので、こうした機会に「あ、ヘルプ機能を使えば自分でも調べられるんだ」と気づいてもらえるといいなと思いました。
No.2に続きます。
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(為田)