教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

愛和小学校 × Ludix Lab「i和design冬期講習会」@東京大学レポート #8 おまけ・舞台裏

 12月26日に、東京大学福武ホールにて、Ludix Lab公開研究会 愛和小学校 × Ludix Lab「i和design冬期講習会」@東京大学を開催しました。

 愛和小学校の先生方は、前日が終業式だったそうですが、朝から東大に来ていただいて、持ち込んだiPadWindowsタブレット、Chromebook、EV3、BB-8の設定をしていただきました。すべての端末をWiFiに接続し、アカウントに参加者のみなさんの名前を入れたり、テンプレートを仕込んだり、と本当にギリギリまで準備作業をしてくださいました。
 その舞台裏を、松田先生からコメントをいただきましたので、そのまま転載してお読みいただこうと思います。

f:id:ict_in_education:20160108143854j:plain松田先生:
 搬入担当の松田が東大福武ホールへの入り口がわからず、会場に到着したのが集合時刻から10分遅れの9時10分。そこから機材を降ろし、メンバーが設営を始めたのが9時15分。受付開始まで45分の短時間でよく準備できたものです。
 本来なら前日までに会場を下見して、一番の肝である通信環境を確かめておくのは当然のことですが、今回は諸事情でそれができませんでした。為田さんから「Wi-Fiはいつも100人は問題なく繋がっています」の言葉を信じて当日の設営に踏み切りましたが、日常的に通信やマシントラブルに対応してきた経験が、「大丈夫!」と判断させる根拠でした。

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 驚くべきは、こういったICT機器の設定を、来てくれた先生方みなさんが分担して、それぞれに作業をしていることでした。これだけ同時に設定ができる先生方がいる学校はあまりないのではないかと思います。

f:id:ict_in_education:20160108143854j:plain松田先生:
 事前に設営の役割分担を明確に決めていたわけではありません。当日設営を始める前に私が指示しようと思っていましたが、搬入した車を所定の場所に駐車させ会場へ戻ってくる間にメンバーが勝手に作業を始めていました。

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f:id:ict_in_education:20160108143854j:plain松田先生:
 今回用意した機材は以下のとおりです。

  1. iPad 20台
  2. windowsタブレット東芝dynabook Tab S80) 20台
  3. chromebook(AcerCB3-111)20台
  4. MacbookAir 5台
  5. LEGO MINDSTORMS EV3 8台
  6. Sphero BB-8 7台
  7. Apple TV 1台

 まずすべきは、講習のメイン機材となるタブレット端末&ノートPCを福武ホールのWi-Fiに接続しなければなりません。すべての端末は初めての接続となりますので、65台全てにSSIDとパスワードを入力しました。またICTの絶大な効果を体感できるAppleTVの接続を行いました。リモコンを使って何気なくAppleTVのネットワーク設定するメンバーの姿に、これこそがこれからの教員に求められる重要な資質の一つであることを強く感じた次第です。ICT活用の話には必ず支援員の配置が付随してきますが、私は基本的な環境設定、トラブルシューティングは教員が行うべきものだと考えています。メンバーは2年間、普段から自分たちで様々な対応をしてきたからこそ、今回の動きができたのだと思っています。
 iPad、Chromebookの接続はOK。しかしWindows機の接続は制限ありと表示され、Macbook AirGoogle Earthを起動すると非常に動きが遅いことが判明。数回同じ設定を繰り返し、再起動するも状況は変わらず。万が一、Windows機が使えなければ2時間目は内容を一部修正すれば対応できますが、MacbookAirが使えなければGoogle Earthがメインとなる3時間目が実施できないピンチが襲ってきました。
 試行錯誤を繰り返す中、Windows機とMacbookAirはともに日常のWi-Fi接続は固定IPアドレスを割り振ってあり、その設定が何らかの問題を引き起こしているのではないかと田畠副校長は考えました。そこで田畠副校長が日頃MacbookAirのWi-Fi接続でお世話?になっているシステム環境設定からアシスタント>診断を行った結果、プログラムの動きがスムーズになりました。同様にWindows機も表示されたメッセージに従ってOKをクリックしていくと接続の制限は解除されました。
 この状況をもって、だからICTは「いつも、ちょっと、使えない」と揶揄してtechnologyを使わない言い訳にする方々がいますが、通信ネットワークの癖?を日頃体験しておくことで、今回のようなトラブルも回避できるのです。通信ネットワークは一度接続するとその設定がどこかにメモリされ、それがトラブルの原因になることがあります。特にステルスのWi-Fiを接続するとこのような現象がおこりがちであることを理解しておくだけで対応が違ってくるのです。

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f:id:ict_in_education:20160108143854j:plain松田先生:
 さて搬入したタブレット端末&ノートPCには、事前に講習で活用するアプリはインストールしておきましたが、私は直前になってどうしても参加者の皆さんにEnglish Centralを体験してもらいたくなり、メンバーにChromebookにEnglish CentralのHPをブックマークするよう依頼しました。受付までわずか10分前のことです。にもかかわらずメンバーはすんなりとその作業をこなしました。ブックマークになければ、講習参加者は大人ですからキーワードを入力してHPを表示してもらえば済むことですが、案の定私の持ち時間は押せ押せになりました。ブックマークしておいたおかげで、皆に新しい英語活動(学習)のヒントを実際に体験してもらえることができました。


 今回活用した主なアプリケーションは以下のとおりです。

  • 1時間目(松田)Prezi、MINECRAFT、English Central
  • 2時間目(設楽) ロイロノートスクール、Scracth Jr、MINDSTORMS EV3、Viscuit、Tickle
  • 3時間目(上田&下鶴)ロイロノートスクール、Google Earth(ツアー機能、フライトシュミレーター)
  • 4時間目(才記&鈴木) ロイロノートスクール、スクールタクト、Googleドキュメント


 よくICTを使った授業に対して、「ICTを活用することが目的化した授業でしたね」という批判を耳にしますが、まずは人間の50億倍の処理能力をもつタブレットなりノートPCなりの機能を使ってみて欲しいと、切に思います。ICTはツールですが、これからの時代に絶対必要不可欠なツールです。ICTがもつ機能を使って、使って、使いまくってこそ、21世紀が求めるKeyCompetencyを育む、新しい授業が創造できるのだと考えます。何故ならタブレットやノートPCの機能が、一人一人の子供のアシスティブとなって働き、それが彼らにアダプティブな状況を創り出し、結果授業におけるアクティブを保障するのです。


 最後に今回の講習でも大活躍し、本校の授業実践でもなくてはならない学習支援の神アプリを2つ紹介します。
 言うまでもなくロイロノートスクールとスクールタクトです。
 ともに学習課題を一斉配信し、また子供達の回答を回収するのみならず、それらを大型モニター(含.電子黒板)に一覧表示できます。アプリケーションで一覧表示できる機能は、子供達の思考力などを育むのに絶大な効果をもたらします。従来の授業ではノートに書かれた友だちの考えを瞬時に知り、それらを比較検討することなんてできませんでした。しかも一覧表示されたものをカテゴリー別に移動もできるのです。
 講習会でもそうでしたが本校ではロイロノートスクールは、カードをつなぐことで授業展開のストーリーラインができるため大変重宝しています。学習のめあてや課題を提示し、活動の指示や内容の解説を行い、学習のまとめと次時の予告が行えます。余談ですが、子供達の委員会&クラブ発表や始業式、終業式における子供達のプレゼンテーションに大活躍です。
 スクールタクトの最大の強みは、友達の考えにコメントできる機能です。課題に対する自分の考えを綴るだけでなく、友達の考えを知り、そこに感想や意見を述べることができるのです。さらに誰が誰にどんな内容をコメントしたかをマッピングという機能で一覧できるのです(才記&鈴木授業参照)。さらに図形の操作活動も可能で本校では算数においても大変重宝しています。
 今年度本校に異動してきた女性教員は、それまでICTに触れたことがなかったにもかかわらず2学期末の授業では1時間の授業においてロイロノートスクルールとスクールタクトを全く違和感なく使いこなしていました。知らない人が見たら、2つの神アプリを使い分けているなんてことがわからないほどのスムーズさであり、1年生の子供達も違和感なく使いこなしていました。
 加えて、講習会の最後で活用したGoogleドキュメントを含め、Google Appsはかなり使える予感がしています。そのポテンシャルを引き出す実践にもトライしていきたいと考えています。

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 今回、本当にi和designチームの先生方とご一緒できて、先生方のチームってこういうことだろうなあ、と感じました。運動会の前や卒業式の前など、こういったみんなで分担して課題を解決して、成果を出す、ということはたくさんなされているのだろうな、と思います。それをICTを使った感じでやるとこうなるのか…と実感しました。

f:id:ict_in_education:20160108143854j:plain松田先生:
 i和designチームのメンバーにとって、夏そして今回の講習会における講師経験は大変貴重な自らを成長させる場となりました。休日に時間を割いて講習会に参加する意識の高い方々に対して、価値あるプレゼンを用意することの緊張感と難しさ、そしてそれを成しを得た安堵感は何事にも代えがたい経験となりました。
 3月12日(土)には、本校でi和design Final Presentationとして公開授業を開催します。
 technologyを使って、使って、使いまくった新しい授業をお示ししようと考えています。是非、ご参会いただき忌憚ないご意見を賜りますようお願い申し上げます。今月中にはコクチーズで開催案内、参加申し込みを開始したいと考えています。どうぞよろしくお願いします!

 今回は東大にすべての機材を持ち込んでいただきましたが、3月には、愛和小学校での公開授業を開催するとのことですので、ぜひ皆様、授業を見に行きましょう!きっと、たくさんの気づきや学びがあると思います。

 授業力だけでなく、こういったチーム力というのも舞台裏で見せていただきました。松田先生、i和designチームの先生方、本当にありがとうございました。

(為田)