神谷加代さんが出版した、『マインクラフトで身につく5つの力』を読みました。神谷さんがMinecraft(マイクラ)について話をしている場面を何度か見たことがあります。とても印象的だったのは、「マイクラで大事なのは、Engage(エンゲージ)、夢中になれること」という主張。うちの息子(小学校4年生)も、本当にマイクラ大好きで、マイクラ関連書籍もたくさん家に増えてきました。わからないことはどんどん自分で調べて、どんどん自分で試していきます。そうした姿を見るにつけ、ちょっと学校で学ぶのとは違う学び方をしているのかなあ、といつも思っていました。
この本で、マイクラで身につく5つの力として紹介されているのは、以下の5つの力です。これらをわかりやすく語っています。
- 想像力
- マインクラフトは、「世界を創る」ゲーム。
- 自ら学ぶ力
- マインクラフトは、「不親切な」ゲーム。
- 問題解決力
- マインクラフトは、「失敗だらけ」のゲーム。
- コミュニケーション力
- マインクラフトは、「仲間ができる」ゲーム。
- 理工系の思考力
- マインクラフトは、「理工系」のゲーム。
質問形式なのでとても読みやすい。マイクラをやっている子どもを見て、「何がおもしろいのかな?」と思った保護者が、この本を読んで、「ああ、そういうことが子どもの頭の中で起こっているのかあ…」と、ちょっと子どもを見る目が変わる、というのがいちばんいいかな、と思いました。
▼書籍版
▼Kindle版
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以下、本の中でおもしろかったところをメモです。ご参考になれば。
海外でどんな授業で使われていますか?
「海外では、どんな授業で使われていますか?」という質問への回答の部分がおもしろかったです。たしかに楽しそう。たっぷり時間をとって、プロジェクト学習にするなら良さそうだなあ、と個人的には思いました。日本の学校でもじっくり時間をかけてプロジェクトとして取り組むところは出てくるでしょうか…。
マイクラをシミュレーションのツールとして活用
海外では、なぜ授業にマイクラが使われているのですか?」「マイクラで再現された世界を体験することで理解を深められるから」。海外の教育者がシミュレーションツールとして活用している3つの例が挙げられています。
- ミクロ世界のシミュレーション
- 眼球の構造の模型など
- 遠くて行くことが困難な場所のシミュレーション
- マイクラ上に、キルナ市外を再現し、課題解決に挑戦する、など
- 時を超えて歴史の舞台に入っていくシミュレーション
- 歴史的建造物が再現されている、「World of Humanities」
おもしろいです。学習者が「自分で創る」のか、すでにあるマイクラの世界を「教材として使う」のかによって、学習効果(とかかる授業時数)も違うだろうな、と感じました。
マイクラで「自分で創る」のであれば、もちろん背景知識なども知らなければならないので、教科書を使った授業+マイクラ、という形はありえるかもしれないと思いました。
でもきっと、まずは日本では部活とか、民間の学習塾などで、たっぷり時間をかけて創っていく子どもたちが増えていくのかもしれないですね。
Minecraft Education Edition
実際に、マイクラを教育に使っている人たちのコミュニティサイトもあるそうです。「Minecraft Education Edition」といいます。
Lesson Planなども紹介されていて、こうしたサイトも見ながら、学校の中でどんなふうに使えるかを研究してみたいと思いました。
education.minecraft.net
つっつクラフト
この本の中で紹介されている「つっつクラフト」。知らなかったですが、ものすごくおもしろかったです。ぜひ、YouTubeで見てみてください。
マイクラで創るところから、リアルなものを創ってみるところにまで進んでいるのが素晴らしいと思います。きっかけがデジタルのマイクラであっても、そこからリアルな方に進むことがあります。
www.youtube.com
まとめ
今まで知らなかったことをたくさん知ることができました。マイクラ、とても周辺に広がっていて、教室での活用事例をたくさん見てみたいな、と思いました。
▼参考エントリー
blog.ict-in-education.jp
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