教育ICTリサーチ ブログ

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国土地理院が鬼怒川堤防決壊箇所のドローン映像を公開する理由~メディアリテラシーを考える

一次情報を国土地理院が公開

 国土交通省国土地理院のサイトで、平成27年(2015年)台風18号による大雨等に係る情報が公開されています。このように公的機関が迅速に状況を公開するというのは非常に大切なことであると思います。

 地図だけでなく、被災地周辺の主題図もまとめて公開されています。
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 台風18号により鬼怒川の堤防が決壊し、大きな被害が出ています。国土地理院がドローンで撮影した被害状況がも公開されています。
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 国土地理院による鬼怒川堤防決壊箇所のドローン撮影
www.youtube.com
www.youtube.com

 【国土地理院】鬼怒川破堤箇所(9月14日撮影)
www.youtube.com

 このサイトには、これらの写真や動画などの資料の公開についての目的が明示されています。

  • 現地の被災状況を心配されている国民の皆様への直接の情報提供
  • 関係機関が行う今後の対応等についての検討

等に対する重要な情報を提供する目的で行っています。

 こうして目的を明示して、国民に対しての直接の情報提供、今後の対応への活用という点で情報がどんどん公開されていけばいいと思います。
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問われるメディアリテラシー

 一方で、こうして一次情報をはじめさまざまな情報に接することができるようになることで、情報の受け手の側のリテラシーもますます問われるようになると思います。
 例えば、係争中の案件についてなど、どちらかの立場からの情報提供に偏っている場合には、それに気づき、バランスをとるために他の情報にもあたる、ということができなくてはならないと思います。
 以前、奈良女子大学附属中等教育学校の授業を見学させていただいたときに、ネット上の写真データについて「推測はできるが本当かどうかはわからない=誤解を生むかもしれない」と生徒がコメントをしていましたが、この冷静に情報を受け取ろうとする立場が大切になると思います。
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 18歳まで選挙権が引き下げられることになり、投票行動のためにさまざまな情報を得て、その情報をもとに比較検討して、意思決定する、そうした行動ができるようになるために、ネット上に公開されているさまざまな情報(できるだけ一次情報に近く、他者の解釈が入っていない情報)にアクセスする活動を、学校などでは行っていかなくてはならないと感じました。

(為田)