教育ICTリサーチ ブログ

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ICTを活用した英語教材が楽しみです(内田洋行+mpi松香フォニックスと桐原書店+EnglishCentral)

 内田洋行、小学校英語の「短時間学習」に対応したコンテンツ「小学校英語 SWITCH ON!」を提供開始というニュースリリースが6月17日に出ました。ベースになっているのが、平成26年~27年に、大阪府教育庁と株式会社mpi松香フォニックスが共同で開発してきた「大阪府公立小学校英語学習6ヵ年プログラム」(「DREAM」)をベースにしているということです。
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 mpi松香フォニックスのサイトで、教材の詳細が紹介されているサイトがあり、そのなかでフォニックスの動画へのリンクも貼られています。フォニックスを教える教材を使って、小学生を教えていたことがありますが、すごく発音がきれいになったので、それ以来、僕はフォニックスはぜひ教えてほしいと思っていました。
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 フォニックスを活用した学習というのは、ICTと非常に相性がいいと思っています。何度も何度も単語を聴き、発音するということが必要だからです。先生に何度も何度も、同じ単語を飽きずに発音してください、というのは、生身の人間にとってはやはりモチベーションが下がるものだし、そもそも非ネイティブな日本人の先生にとっては、発音が万全かどうかというのも自信がないという人も多いと思います(けなしているわけでは決してなく、当たり前のこと)。だから、そこはデジタルデータで完璧な発音を何度も何度も聴けるようにしておく、というのは学習的にも非常に意味があると思っています。
 これだけだと、「CDでもいいんじゃないだろうか?」とも思えます。しかし、CDでは結局、クラス全体で同じ進度にならざるを得ず、練習時間をそう大きく伸ばせないと思います。一人ずつが、自分のやりたいだけ何度でも練習ができる、そうした環境を作るためには、やはりICTでコンテンツ化して、個人個人がそれを学べるようにすることが重要だと思います。

 今回の「小学校英語 SWITCH ON!」については、音声認識機能がついているのかどうかまでは書かれていません。先生のファシリテーションを強める、という意味合いが強いのかな、とも思います。


 フォニックスをするのであれば、「聴く」ともうひとつ、自分で「話す」「発音する」方も練習できれば四技能を習得するためにもなおいいので、音声認識機能もつくといいと思っています。そうした方向では、高校の教材となりますが、桐原書店とEnglishCentralとの協業による4技能型オンライン自主教材の方向性に、僕は非常に共感しています。
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「話す英語」の需要が高まる一方、その中で中等教育英語の現場では、効果的なリスニングやスピーキング指導を行える人材の不足という課題を抱えています。

本教材では、単語テストや穴埋め問題などによる「英語を読む・書く」指導はもちろん、教材内容の音声読み上げや独自の音声認識技術を用いた発音診断を用いることで「英語を聞く・話す」指導を行うことができます。

従来型の英語の授業に、本教材を組み合わせることによって、リスニング・スピーキング指導が行える人材不足という、英語教育現場の課題を解決します。


EnglishCentralとの協業による、4技能型オンライン自主教材リリースのお知らせ

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 僕も実際に、EnglishCentralを使って練習を(ちょっとだけ)していますが、コンテンツもいろいろだし、発音を真似て、それが採点される、というのが思いの外おもしろい(笑) 小学生が楽しんで発音診断に取り組んでいる様子も何度も見ているので、こうした方式のコンテンツも小学校英語にあればいいな、と思います。
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 これらだけでなく、Skype英会話なども含めて、さまざまなコンテンツが小学校英語に入ってくることは、小学校の先生方にとって、“強い味方”になることだと思います。先生方の仕事をとるものではなく、逆に先生はクラスの児童生徒のモチベーションを上げる部分やファシリテートする部分に注力する、という方向になってほしいです。そのためにも、先生方にどんどん使ってみてほしいですね。まず自分でやってみて、「ああ、こういうことか…」とぼんやり理解していくこと。そこからスタートで十分だと思います。
 一人1台PCやタブレットをもって学習しなければならないわけで、環境が整備されるかどうかはまだこれから取り組まなければならない問題ですが、ぜひ広がっていってほしいと思います

(為田)