教育ICTリサーチ ブログ

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タッチタイピングの練習では、指使いの基本をしっかり伝える方がいいと思う

 小学校と中学校で一人1台の情報端末が配備されて、授業でも使われる場面が増えてきています。小学校でも子どもたちがタッチタイピングで文字入力をしているところをよく見るようになりました(ローマ字をまだ習っていない、1年生や2年生でも!)。
 休み時間にタイピングを練習するサイトなどを使っていいことにしている学校もあります(ゲームだから禁止している学校もあります)。タイピングゲームは、ゲームのもつ楽しさによって子どもたちがどんどん練習するので、タイピングはどんどん速くなっていきます。
 全然練習しないよりは、楽しく練習してタイピングができるようになっているので、基本的にはそれでいいと思いますが、キーボードをまったく見ないでタイピングできているのに、指使いが我流な子が多いのに気がつきます。
 「速くタイピングできれば、指使いはまあいいではないか」と言う人も多いと思うのですが、僕は可能ならば最初にタイピングを練習するときに、きちんとホームポジションから、正しい指使いを知って、自分で練習できるようになってほしいと思います。

 ほとんどのタイピング練習サイトでは、ホームポジションから順に練習するようにはなっていると思います。ただ、子どもたちはゲームを進めるのが楽しくなりすぎてしまうと、「指使いを覚えるために、ゆっくり何度もホームポジションに指を戻す」という本来の目的が面倒になってしまい、ゲームを進めるという目的が優先されて、結果的に「(自分の慣れた我流の指使いで)ボタンを押せばいいんでしょ(それでゲームは進んでいく)」となりがちだと思います。

 1つキーをタイプするたびにホームポジションに指を戻す、正しい指使いを練習できるようになるのは、一人ではなかなか難しいと思います。一人で難しいからこそ、クラスで取り組んだ方がいいのかな、と思っています。
 最初にきちんとクラス全体で正しい指使いを確認をして、ときどき「ちゃんと指使いできているかな?」とふりかえる機会がある、そういう雰囲気をクラスで作るのは、一人1台の端末が入ったいまだからこそできることだと思います。

 僕は、「きちんとした指使いでタイピングができる」のは、「鉛筆やお箸を正しい持ち方で使える」くらいの思いで取り組めたらいいな、と思っています。もちろん、鉛筆もお箸も、正しい持ち方でなくても使えますけど、正しく使えるほうが機能的だと思うからです。
 最初から「正しい指使いを…」と細かく言われてしまうと、そもそもキーボードを使うのが嫌になってしまうと思いますので、慣れてきたところで、「さらに上手にキーボードを使いこなすために…」と教えてあげて、練習する癖をつけるような機会を作るのがいいと思います。
 正しい指使いでのタッチタイピングができるようになれば、それは一生使えるスキルになりますし、生産性を上げることにもつながると思います。

 いつから練習を始めるべきなのか、どんなふうに伝えるべきなのか、自分自身でも悩みながら試行錯誤をしていますが、これは先生方にもいろいろと子どもたちの様子を教えていただきながら、考え続けていきたいと思います。

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(為田)