教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

「すごい地理教育トーク」レポート #1(2015年10月16日)

 10月16日(金)に、「すごい地理教育トーク」というイベントに参加してきました。このイベントは、ESRIジャパン青山学院大学NPO法人 伊能社中でのコラボ企画でした。
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 地理教育というものにはまったく疎いのですが、実はICTを活用した授業事例として、先生方に説明して非常にリアクションがいいのが、電子地図を使った事例なのです。blog.ict-in-education.jp
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 そうした理由があり、最先端の「地理教育」ってどんなものなのだろうと思って参加しました。

地理が必修化?~地理教育で何を学ぶか

 現在、文部科学省の新学習指導要領の答申素案で、高校の地理科目が必修化する方向性が報じられています。

 文部科学省が(2015年8月)5日に公表した新学習指導要領の答申の素案では、高校の地理歴史科について、現行指導要領で定められている世界史の必修を見直した上で、近現代史分野を中心に日本史と世界史を融合させた「歴史総合」を新たに必修科目として設けることが示された。また、地理分野でも必修科目の「地理総合」を新設し、地域の課題を把握し問題解決に向けた思考力を養うとした。

 現行の歴史科は、小中学校の社会科で日本史を中心に学ぶため、高校では世界史が必修、日本史と地理が選択科目になっている。
(略)
 地理分野でも、選択科目である「地理A」をなくし、必修科目として「地理総合」を新設。「最低限の地理の知識を持たずに高校を卒業する生徒が多い」(文科省担当者)ことから、新科目では、生活する上で基本となる地図の読解能力や、国内外の各地域ごとの課題を把握し解決する力を育てるとしている。

【次期学習指導要領】新教科「歴史総合」誕生、世界史必修見直し、近代は日本史と融合(1/2ページ) - 産経ニュース

 もし実現すれば、6年後に地理は、「地理総合」という科目名で必修化されることになります。その時点を目指して、今から何をやっていくか。リソースを組み合わせて使っていく方向で考えていく、というトークでした。

 そうした背景がありつつ、「地理でどんな力が身につくのか」について触れられました。

  • 総合的な考える力 Geography = Knowledge Thinking
    • GISを利用することによって、土地の利用、風土の利用、環境の利用など、総合的にどのような利用ができるか。
    • GISの授業で学んだことで、社会に「何ができるか」「何に役立つか」という総合的な力を学ばせたい
    • 自分で作成したデータで「なるほど!」と思わせて自分で発見する楽しさをわかってもらいたい
    • 課題があった時に「考えて」答えを導くような人材育成

 こうした部分を、学習活動に入れることで、「暗記型」→「課題解決型」に、地理教育を変えていきたい、ということでした。
 たしかに、地理って暗記科目だったイメージですが、海外旅行に行ったり、地図など情報を自分で作ったり、地政学的なことを考えたり、地図と関連する部分で「課題解決型」に紐づいているものは意外と多いのだな、と思いました。

Esri教育マネジャーで地理学者 Joseph Kerski氏講演

 プログラムの最初は、Esri教育マネジャーで、地理学者である、Joseph Kerski(ジョセフ・カースキー)氏の講演でした。教育カリキュラム開発メンバーとして2006年よりEsriコロラド支店に勤務し、YouTubeTwitterで発信されているそうです。食よりも地理/地図が好きで、日本滞在中も歩き、写真を撮りまくっていたそうです。twitter.com
www.youtube.com

Story Mapsでできること~授業で使うなら?

 紹介してくれたのは、Story Maps。地理教育の中で、Story Mapsをどう使うかを紹介してくれました。
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 Story Mapsを使うと、簡単に情報を地図上に置くことができ、それをさまざまなプラットフォームで見ることができます。Story Maps上に音、テキスト、ビデオなどさまざまな素材をリンクさせることができます。Josephさんが撮影した写真が地図にどのようにリンクされているかを見せてくれました。
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 EsriのStory Mapsチームが作っているものもあるが、さまざまな組織が自分たちでマップを作っているそうで、若田光一さんも作っているそうです。Story Mapsのページを開いて、上部の「ギャラリー」をクリックして、「wakata」と検索すると出てきました。
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 最初は、ギャラリーで授業で使えそうなマップがないかを見てみて、それから自分たちでマップを作っていく、というふうに進んでいくといいかもしれないな、と思いました。
 学校の周りの様子を写真や動画などで記録して、地図上に貼っていったり、修学旅行や社会見学などの撮影記録を地図に貼っていったり、ということがオーソドックスな使い方でしょうか。江戸時代の参勤交代の地理情報を見せる、などいろいろなアイデアが出ていました。

 教育利用のための地図はどんどん増えてきているそうです。模造紙で作るよりもずっと簡単だし、保存しても劣化しないし、検索はかけられるし、きちんと授業設計をすれば使い方はいろいろと先生方のアイデアが出そうな気がしました。

 ArcGISは、アカウントは必要だが無償で利用できるそうで、学校の先生方で使ってみたい方は、ぜひトライしてみるといいのではないかな、と思いました。


 次回に続きます。次回は、青山学院大学の古橋先生による「日本国内の最新事例について すごい地理教育とは何か?」をご紹介します。blog.ict-in-education.jp


(為田)