2024年も今日で終わりなので、毎年恒例のふりかえりをしたいと思います。2024年の教育ICTリサーチブログは、このエントリーで366本目になります。正月3が日は休むルールですが、2024年はうるう年で1日多いのと、どこかで「タイムリーに出したい!」というタイミングがあってイレギュラーでエントリーを書いたので、366本となりました(だいたい毎年こんな感じです)。
直近5年のエントリー数は、2023年が368本、2022年が335本、2021年が341本、2020年が410本、2019年が375本でした。2022年7月から毎朝1本必ずエントリーをアップすると決めて、そこから今日まで続いています。
この教育ICTリサーチ ブログでいちばん価値あるコンテンツは授業レポートだと自負しているので、できるだけたくさんの学校で授業を参観させていただこうと思ってやってきました。
弊社フューチャーインスティテュートは、東京にいる僕 為田裕行と仙台にいる 佐藤靖泰と2人でやっていますが、2024年も授業を参観させていただいたり、授業づくりのサポートをさせていただいたり、研修講師で伺ったり、いろいろな形で学校現場へ伺いました。現場に近いところで仕事をしたい僕ら2人にとっては、良い一年だったと思います。お世話になった先生方、皆様、本当にありがとうございました。
2024年のまとめとして、個人的に印象に残ったエントリーを3つピックアップしたいと思います。
デジタル教科書の体験ワークショップをスタート
2024年は学習者用デジタル教科書を活用している授業を多く参観させていただきました。デジタル教科書を使って先生が教えているところを見て、デジタル教科書を使って子どもたちが学んでいるところを見て、感じることや考えることがたくさんありました。
8月に帝国書院さんの学習者用デジタル地図帳を体験するワークショップをはじめて開催しました。先生方とデジタル地図帳の機能の話をするだけにとどまらず、「地図をどうやって学びに役立てられるのか」という授業の話ができる場になっていたのが印象的でした。
12月には、東京書籍さんの小学校算数の学習者用デジタル教科書と中学校英語の学習者用デジタル教科書を体験してもらうワークショップも実施することができました(レポートはこれから発信予定ですので、告知のエントリーを貼ります)。
帝国書院さん・東京書籍さんとワークショップを実施して感じるのは、教科書会社の方々の持っているノウハウってやっぱりすごいな、ということでした。ただ機能的に何ができるか、という話にとどまるのでなく、先生方と教科書会社の方々が一緒に「どう教えるか」「どう学んでほしいか」というところまでディスカッションができる場になるといいな、と運営しながら思いました。
個別最適な学びの好きな形
いろいろな授業を参観させていただいてレポートを書いてきて、印象に残っている授業も多いのですが、どれか1つと言うならば、2月に参観させていただいた戸田市立芦原小学校の5年3組の算数「円と正多角形」の授業を挙げたいと思います。
僕は「自由進度学習」というキーワードについて、もっと「どんなふうに子どもたちが学んでいるのか」というところを見て評価したいと思っています。そのヒントをたくさんいただけた授業でした。
また、この授業レポートを戸田市教育委員会の先生方がたくさん読んでくださっていて、「あのレポート、よかったです」とお声掛けをいただくことがすごく多かったのも印象に残っています。こうしてレポートとして発信して、誰にでも読めるところに公開する意義を感じられた体験でした。
10月に参加した未来を創る教育セミナー 2024 in 仙台での、東北学院大学 教授 稲垣忠 先生と弊社フューチャーインスティテュート株式会社の佐藤靖泰 の2人と開場の参加者の先生方とのディスカッションも、「自由進度」について考えるヒントになりました。
それと、5月から8月くらいにかけてじっくり読んだ、石井英真 先生の『教育「変革」の時代の羅針盤 「教育DX×個別最適な学び」の光と影』もとても勉強になりました。たくさんのページに赤線を引いたところを中心に何度も読み直して、Notionでつけている読書メモにまとめて、そこからブログへ共有する部分を抜き出して共有していきました。
自分の「デジタルを使ってやりたいこと」を再確認できた
僕は学校でのICT活用の推進のお手伝いをさせていただいていますが、結局のところ実現したいのは、「子どもたちが表現することや思考することにデジタルをめっちゃ使うようになる」ということです。その意味で、ICTを使っても使わなくてもいいので、前提として「表現」や「思考」を楽しめるようになってほしいと思っています。
その思いを強くして、自分の授業をもっとブラッシュアップしたいなと思ったのは、軽井沢風越学園の澤田英輔 先生の著書『君の物語が君らしく 自分をつくるライティング入門』を読んだからでした。
5月に軽井沢風越学園を訪問し、授業を参観させていただけたのもよかったです。
もっともっと、先生方と子どもたちが一緒に作る授業に関わっていきたい、と思いました。そして、そもそも自分が作っている授業も、もっともっと楽しい表現と思考が溢れるものにしたいと思います。
2024年、ありがとうございました。2025年もよろしくお願いします。
これにて、2024年の教育ICTリサーチブログは終了です。読んでくださっている皆様のおかげで、無事にまた1年、続けることができました。ありがとうございました。
2025年もどうぞよろしくお願いいたします。
(為田)