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愛和小学校 × Ludix Lab「i和design冬期講習会」@東京大学レポート #4 「学校を“楽しくて学べる場”にする方法を考える」

 12月26日に、東京大学福武ホールにて、Ludix Lab公開研究会 愛和小学校 × Ludix Lab「i和design冬期講習会」@東京大学を開催しました。

 ランチをとりながらもさらに学びの時間を続けてもらおうということで、今回はLudix Labでご一緒している福山佑樹さん(東京大学教養学部)と藤本徹さん(東京大学 大学総合教育研究センター)にお願いをして、「学校を“楽しくて学べる場”にする方法を考える」というテーマでランチョンセッションをお願いしました。

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 2人の自己紹介スライドは以下のとおりでした。

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 実は今回、Ludix Labと愛和小学校でコラボして、この冬期講習会をやろうと思ったきっかけは、5月の教育ITソリューションEXPOにありました。そこで福山さんがプレゼンをしていたときに、「学校はクソゲーか?」という言葉がスライドの中にあったのですが、それを実際に学校の先生とともに考えてみたいと思ったからでした。そして、なぜクソゲーなのかを、子どもたちを夢中にさせているゲームの枠組みを使って考えてみて、そのエッセンスを授業設計の中に入れられないか、と先生たちと一緒に考えてみたい、と思ったのです。
 今回参加してくれた先生方は、「楽しさと学びについて」「ゲームとは何か?」などの説明を、本当に熱心に聴いてくださいました。
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 ゲームにある、「ゴール」「ルール」「フィードバックシステム」「自発的な参加」。こうしたエッセンスは、必ず教育の分野でも役に立つ概念だと思っています。教室の中で、ポイントをためていくシステムを作り出していたり、みんなで楽しめるように工夫をしたり、ということをされている先生は多いので、実はこうした要素をすでに教室の中に持っているのだとも言えます。
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 ゲーム利用のメリットを挙げたうえで、ゲーミフィケーションについての説明をし、実際に学校現場でどのように使われているのかの説明をしました。
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 福山さんから、ゲーム要素を導入した「楽しく学べる」教材を愛和小学校で導入したときに、どのような成果が出たのかを紹介されました。実際に学んでいる動画をみんなで見たのですが、非常に楽しそうでした。最高得点を抜かされた児童が、すぐに抜き返すべくゲームを始めるところなどは、非常におもしろかったです。

 その後、藤本さんから、ゲーミフィケーションの考え方を取り入れて学校を作っている事例として、アメリカのニューヨークにあるQuest to Learnが紹介されました。学校カリキュラム全体を「クエスト」化している、という紹介のところでは、本当に多くの方がメモを取り、写真を撮影していたのが印象的でした。
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 さらに基本カリキュラム構成についても、科目を組み替えて作られているのに、松田先生も「こんな学校作りたいなー、いいよなあ」とワクワクした目をされていました。
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 実際にゲーム要素をどうカリキュラムへ統合しているのか、ということの説明もされました。
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 もうひとつ、今度はカリフォルニアの私立学校 PlayMaker Schoolも紹介されました。
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 こちらは、ニュースで紹介もされたそうで、ニュース映像を見て、その後で藤本さんからコメントがありました。
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 学校を楽しくて学べる場にするために、どんなことができるだろうか、ということをグループディスカッションして、発表してもらいました。
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 最後に、松田先生にも感想をもらいました。どのスライドについても、松田校長と田畠副校長が本当に熱心に見ていて、写真もたくさん撮影されていたので、愛和小学校でこうしたアイデアが形を変えて現れる日が来るかもしれません。
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 #5へ続く。
blog.ict-in-education.jp


(為田)