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日本女子大学附属豊明小学校 授業レポート No.6(2022年9月15日)

 2022年9月15日に日本女子大学附属豊明小学校を訪問したときに、多目的ホールに1年生があさがおを観察して描いた絵が掲示されていました。
 日本女子大学附属豊明小学校では、「実物教育」という言葉を大切にしているそうです。実物教育とは、「材料としてあらゆる天然、実物に接して実際の境遇を作り、広く知識を宇内に求める習慣を養わしめること」という学校創立者 成瀬仁蔵 先生の言葉から来ているものだそうです。
 だからこそ、実物を自分で観察し、それをスケッチし、そこから得たものを授業でみんなで共有し、育んでいくという活動を大切にしているそうです。ここで見たあさがおの観察スケッチも、とても細かく描かれていると感じました。

 一人1台のiPadを活用して、「スケッチよりも写真の方が詳細に記録できるのだから、観察は写真撮影だけですませればいい」ということではないと思います。
 自分の目で見て、自分の手で触れて、一生懸命スケッチを描く観察と、iPadで静止画や動画を撮影し、何度もそれを見て考察する観察と、それぞれに良さがあるし、それぞれに必要な体験なのだと思います。
 どちらかを行うのではなく、発達段階に応じてどの順番で、どれくらいのバランスで行うのかということが大事になってきます。
 1年生のうちにしっかり観察と手描きのスケッチをしたうえで、iPadをもった子どもたちがデジタルをどんなふうに活用するようになっていくのか、学校として「実物教育」とデジタルをどう融合させていくのか、非常に興味深いところだと感じました。

 No.7に続きます。
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(為田)