教育ICTリサーチ ブログ

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学習者用デジタル地図帳 体験&授業づくりワークショップ@葉山町 レポート(2024年12月19日)

 2024年12月19日に葉山町教育委員会の会議室で、帝国書院の方々と一緒に60分間の学習者用デジタル地図帳 体験&授業づくりワークショップを行いました。葉山町教育委員会で月1回開催される「教育委員会・学校連携プラットフォーム」に参加している、先進的・探究的な学びに関心のある小学校と中学校の先生方と指導主事の先生方に学習者用デジタル教科書を体験してもらい、授業にどう使えるかを話し合っていただきました。

 最初にデジタル地図帳を活用した授業事例として、愛知県の自動車産業を取り扱った地図を開いて、レイヤー機能を使って地図上に表示する情報を増やしたり減らしたりする機能を紹介しました。その後、いろいろな機能があることを紹介して、すぐに先生方一人ひとりにIDとパスワードを貸与して、自由にデジタル地図帳を使ってみてもらう時間をとりました。

 今回一緒にワークショップを運営した帝国書院の方々には、会場で先生方のいろいろな質問に答えてもらいました。参加してくださった先生方からは、デジタル地図帳の機能についての質問だけでなく、社会科の学習に関する質問も多く出ました。帝国書院の皆さんは、編集と営業の両方をされているので、教材としてのデジタル地図帳についての質問にもプロとして解答されていました。

 先生方にじっくりデジタル地図帳を使ってみてもらった後で、「授業アイデア」「イチオシ機能」「改善アイデア」を色分けしたカードでPadletに書き込んでもらいました。参加してくれていた先生方全員から気づいたことなどを発表してもらうのは時間的に難しいので、Padletにコメントを書いてもらい、それを共有して読み合うようにしました。

 先生方に書いていただいた「イチオシ機能」が書かれたイエローのカードの一部を以下で紹介します。60分と短い時間だと、一人ひとりの先生方にすべての機能を試してもらうところまではできないのですが、こうしてPadletで「この機能がいいと思う!」というのを共有してもらえれば、次にどの機能を試そうか決めるときに役立つと思います。

  • レイヤー機能が素晴らしい。
  • レイヤーを選べるので、情報量が多いと入ってこないボクには最適です。同じ感覚の子がかなりいると思う。
  • タブ機能。デジタル地球儀、地図、統計資料など、情報を行き来しやすい
  • 地点にマイリンクを添付できる(ウェブ、画像情報など)。しかも、マイリンク一覧やマーカー一覧を使えば、学習の履歴が残る
  • デジタル地球儀に画像を添付できる
  • 都道府県クイズおもしろい
  • 統計資料。それぞれの情報を、国や地域ごとに順位付けて整理してくれる。
  • レイヤー機能は注目させたい項目に集中して読み取れるのでよい。

 先生方に書いていただいた「授業アイデア」が書かれたブルーのカードの一部を以下で紹介します。こうして共有した授業アイデアが、実際に授業の中でデジタル地図帳を使って実践されるといいなと思います。

  • 総合的な学習の時間で、葉山町の課題を明確化する授業に使いたい。班ごとに主題を決めて調べて、各班のレイヤーを重ねて課題を探る。
  • プログラマップは、プログラミング機能があって合科的に取り組めそうで面白かった。
  • レイヤーでいろいろ遊ぶ→気づいたことを課題設定として理由を探究
  • レイヤーを活用することで、神奈川県の特徴を自分たちで自由に考えることができる(交通・地形・田んぼなどなど)
  • 高速道路や新幹線など交通網だけが見れるのは戦後の復興あたりの学習で使えそうな気がしました。

 今回、教育委員会・学校連携プラットフォームでの開催を提案してくださった指導主事の先生は、「時間があまり長く取れないのですが、各校の核になる教員の集まりなので、波及効果はあると思います」とおっしゃっていました。
 参加してくださった先生方がPadletに書いてくださった「授業アイデア」や「イチオシ機能」を読んでみると、すぐに授業で使えそうなこともたくさん書かれています。このPadletに書かれていることが、各校の職員室で話題になったらいいなと思います。使ってみてはじめてわかることもたくさんあるので、その最初のきっかけになればいいなと思います。

 帝国書院の方々と一緒に体験&授業づくりワークショップを企画・運営することで、ただデジタル地図帳の機能を紹介するだけでなく、授業づくりのサポートを専門的にできていると思っています。
 今後とも、こうしたワークショップの場を増やしていこうと思っていますので、関心がある先生がいらっしゃれば、お声掛けいただければと思います。

(為田)