株式会社新興出版社啓林館が、小学生の保護者対象に行った「小学生の家庭学習におけるデジタル教材の活用に関する調査」の結果を2025年5月8日に公開していました。
プレスリリースで公開されている「調査サマリー」は、以下の通りです。
<調査サマリー>
- 小学生の約55%が、家庭学習でデジタル教材を使用している
- 小学生の家庭学習に最も使用されているデジタル教材は「タブレット学習アプリ」
- 小学生が家庭学習でデジタル教材を使用している理由のトップ3は、1位「楽しく学べるから」、2位「どこでも学習できるから」、3位「紙の教材よりわかりやすいから」
- 家庭学習にデジタル教材を使用していない家庭が、デジタル教材をしていない主な理由は「経済的問題」や「目への影響」
- 家庭学習でデジタル教材を使用する際、主に課題に感じることは「長時間画面を見ることによる目への影響」や「書く力の低下」
- 小学生の家庭学習においては、紙の教材をメインに使い、デジタル教材は補助的に使用している家庭が最も多い
これはなかなかもっと深く知りたくなることがたくさん書いてあるな、と思いました。
「小学生の約55%が、家庭学習でデジタル教材を使用している」
サマリーの1つめの項目、「小学生の約55%が、家庭学習でデジタル教材を使用している」については、半分を超えてよかったな…活用が進んできているんだな、と思いましたが、「お子さんは家庭学習でデジタル教材を使用しているか」という設問への回答で、1位「使用していない」(44.3%)、2位「毎回使用している」(21.1%)、3位「たまに使用している」(18.7%)、4位「週に数回使用している」(15.9%)ということです。
これは設問の「家庭学習でデジタル教材を使用している」というのがどう解釈されるのかによるかな、と思いました。小学校でタブレット端末を持ち帰って、授業支援ツールで国語の教科書の音読を録画して提出してもらっている小学校もありますし、デジタルドリルを宿題として出している小学校もあります。デジタルドリルは「デジタル教材」という感じがしますが、授業支援ツールは「デジタル教材」と言っていいのかな…。回答してくれている保護者様がどう解釈するかによるのかな。どんなデジタル教材を使っているのか、知りたいなと思いました。
それと、学年によってもけっこう違うような感じがするので、この回答を学年別で分けても見たいな、と思いました。
小学生の家庭学習に最も使用されているデジタル教材は「タブレット学習アプリ」
サマリーの2つめで、「お子さんは家庭学習でどのようなデジタル教材を使用しているか」という設問への回答がまとめられていました。1位「タブレット学習アプリ」(68.1%)、2位「教育用ゲームアプリ」(30.8%)、3位「電子書籍・ドリル」(27.5%)となっているそうです。
「タブレット学習アプリ」にはどんなものが含まれているのだろうか…アプリ名も合わせて教えてほしいですね。授業支援ツールとかはここに入るのですかね。「教育用ゲームアプリ」もどんなアプリが入っているのかな…。ものすごく興味ありますね、ここ…。
家庭学習にデジタル教材を使用していない家庭が、デジタル教材をしていない主な理由は「経済的問題」や「目への影響」
サマリーの3つめでは、デジタル教材を使用していない家庭に、その理由を質問しています。1位「特にない」(43.5%)、2位「高いから」(27.6%)、3位「目に悪そうだから」(17.2%)という結果だそうです。
この設問と回答を見てみると、「学校のタブレット端末が使われていない」というのとはまたちょっと違う理由も多く含まれていますね。「家庭学習」は、「学校教育」とは切り離しているのかな…。だとすると、サマリーの最初にある「小学生の約55%が、家庭学習でデジタル教材を使用している」って、すごく大きな数字に見えますね。
あ、でも、最近は学習塾でもタブレットを使って教材や資料を配布したり、連絡をとったり、学習データが見られるようになっているので、通塾率が高い地域だったらあり得るだろうか…?などと考えながら読みました。
感想
こういうリサーチは、いつも興味をもって読んでいます。こうしたリサーチの結果と、自分が関わっている学校での状況、学校で伺う先生方の話、そうしたものを比較して聴きながら、仕事をしていきたいと思っています。
興味をもってくださった先生方や保護者の方は、ぜひプレスリリースも見てみてください。
(為田)