2025年9月19日に就実小学校を訪問し、縦割り探究の授業「QUEST TIME」を参観させていただきました。「QUEST TIME」は、就実小学校が取り組んでいる3つの探究学習(個人探究・教科探究・縦割り探究)のなかで、1年生から6年生までがチームを組んで、地域や社会の課題に向き合いながら協働的に探究を進めていく授業です。2025年度は全校で18のチームがあり、それぞれのチームで決められた教室へ移動して探究活動を行います。
この日は、日下陽子 先生が担当する「せかいレストランEXPO ~未来とつながる食のひろば~」のチームが19人で学ぶ教室で授業を参観しました。
1学期からチームでいろいろなことを話し合って、「世界の食文化って?」「世界には食べ物に関するどんな問題があるの?」「食べ物の未来はどうなる?」というふうにどんどん問いを広げてきているそうです。
2学期になって、大学生との世界料理のフルコースコラボクッキング、日本料理ものづくりマイスターの方に教室に来ていただいての日本料理出前授業など、子どもたちが出した問いをより深めたり、広げたりできるような、さまざまな機会が用意されているそうです。
この日の教室には、1学年3~4人ずつで19人のメンバーがいました。2名の上級生が黒板の前に立って、授業をリードしていきます。どのチームでも「QUEST TIME」の進め方の相談を事前にしたり、子どもたちと先生方が協力しながら探究の授業を作っているそうです。
教室に置いてあったホワイトボードには、「今までに決まったこと」がまとめられていました。また、チーム内で作られているスモールグループの役割やメンバー紹介、イメージキャラクターが並んでいました。

この日の授業では、最初にMentimeterを使った「世界の食べ物クイズ」を行いました。クイズを楽しみながら、チームみんなでいろんな国の食べ物について知っていきます。

クイズの正解が発表された後の解説を、子どもたちは一生懸命読んでいました。クイズのようにみんなで楽しめるコンテンツは、子どもたちが楽しんでいろいろな国の食べ物に興味をもってもらうきっかけになりやすいと思います。縦割りだと同じ学年だけでなくて低学年の子たちもいるので、それぞれの学年の子たちが学べるような環境を、先生方だけでなく上級生の子どもたちも一緒に作っているのだろうなと思いました。

クイズをした後は、スモールグループに1カ国ずつを担当してもらって、日本の料理とその国の料理の違いと共通点を、ベン図を使ってブレインストーミング(ブレスト)をしていきます。
上級生が、ベン図をプロジェクタで映して、「日本の食べ物と、ベトナムの食べ物の共通するところと違うところを、こういうふうに書いていってください」とやり方をみんなに説明します。ベン図が描かれたワークシートを1枚ずつスモールグループに配布して、それぞれの国の食べ物について調べたり、話し合ったりして、どんどんベン図に書き込んでいきます。

その後で、他のスモールグループが書いたベン図を見て回る時間をとりました。他の国の食べ物についてのベン図を見て、「はじめて知ったこと」があれば、そこに黄色いシールを貼っていきます。こうしてシールを貼ることで、誰かが新しく知ったこと=学んだことを可視化することができます。

最後にSeesawを使って「ふりかえり」を書きます。「QUEST TIME」では1年生から6年生までがチームにいるので、低学年の子たちも書けるように丸で囲んで答えられる欄なども用意されていました。こうしたワークシートの工夫も、1年生から6年生までが一緒に探究する「QUEST TIME」だからこそかな、と思います。

「QUEST TIME」では、みんなで学び合い、実社会において何ができるか、クリエイティブに考えて発信していくことが大切だと日下先生はおっしゃっていました。
こうした意識で、1年間を通じて縦割りで子どもたちが探究を続けていくことで、上級生に憧れたり、下級生をサポートしてあげたりという場面も多くあると思います。こうした機会は、単純に知識を増やすのとは違う学びになると思います。そうした場として縦割り探究の「QUEST TIME」の授業を先生方が意識して作っているように感じました。
(為田)