2025年11月10日に葉山町立上山口小学校を訪問し、6年1組の総合的な学習の時間で「プレゼンテーションのコツ」を学ぶ授業を担当させていただきました。授業の様子と、授業後に行った先生方とのミーティングで出てきた内容と、授業後に「プレゼンテーションのコツ」を学校で継続的に教材として使っている様子を紹介します。
授業で紹介した「プレゼンテーションのコツ」は、株式会社クリエイティブシフトが開発した「プレゼンテーション・パターン」を、「パターン・ランゲージ授業づくりパートナー」である弊社フューチャーインスティテュートが授業で使いやすいように教材設計したものです。
授業の様子
最初に、「プレゼンテーションのコツ」を紹介していきます。教材で使った「プレゼンテーション・パターン」には全部で34のパターンがありますが、そのなかから小学生にわかりやすく実践しやすいと思われる「メインメッセージ」「心に響くプレゼント」「ことば探し」など8つのパターンを選んで「プレゼンテーションのコツ」として選んでいます。パターンが書かれたカードを1枚ずつ大きく映して、パターンのタイトルと意味を紹介して、それぞれのパターンについて子どもたちが理解しやすいようなエピソードを加えながら説明していきます。
「プレゼンテーションのコツ」を紹介した後で、僕が子どもたちに対して簡単なプレゼンテーションをします。
僕がしたプレゼンテーションを聞いてから、さっき紹介した「プレゼンテーションのコツ」のカードを使って、僕のプレゼンテーションで「できていたコツ」と「もっとよくするコツ」を教えてもらいます。「プレゼンテーションのコツ」を選ぶだけでなく、その横にコメントを書き込んでもらいます。
「プレゼンテーションのコツ」が書かれたカードがきっかけになって、子どもたちが「言いたいことはよくわかった」「写真が多すぎる気がした」などの具体的なコメントをできるようになります。

一人ひとりに書いてもらったコメントは、ロイロノート・スクールを使って提出してもらいます。6年1組の子たちが書いてくれたコメントをいくつか紹介します。
- できていたコツ
- 全員のことをちゃんと見れていたと思う。
- 話す内容の大事な部分だけをほとんど言っていてわかりやすかった。
- 言いたいことがよく伝わってきた。
- みんなが分かる言葉を使っていてわかりやすかったです。
- もっとよくするコツ
- 図が多すぎる気がした。
- 声の大きさが同じように感じた。
- もうちょっと図を使うといいと思う。字だけじゃなくてその文章に合う写真とかイラストをつけたほうがいいと思う。
- 一枚に2、3文をまとめる。
- 声の強弱もなかったし、スピードがほぼ同じだった気がした。
コメントをどんなふうに書けばいいのかわからない子もいるので、クラスメイトがどんなふうに書いているのかが見えるように、回答を共有できるようにしておきます。

授業の最後に子どもたちに書いてもらったふりかえりをいくつか紹介します。
- プレゼンテーションは生活で良く使うことだということが分かったし、プレゼンテーションに興味がある人は大体上手なのが分かった。
- プレゼンっていろんなコツがあったらもっと分かりやすくなるんだと知った。
- 知っていることもあったけど、初めて知ったこともあったのでそれを活用できるようにしたいです。見本のプレゼンも見れてよかった。
- プレゼンテーションのコツで教えてくれた中の8個のうちの心に響くプレゼンテーションができているかというこつが一番考えていなかったなと思った。あとは情報量も自分は全然まとめたりせずに発表していたからメインメッセージも伝わっていなかったのかなと思った。
- コツに書いてあるのがほとんどプレゼンをする側にたいしてのことだったからすごくためになった。
- これから中学にはいってもっとプレゼンをする機会が増えてくると思うから今日教わったことを実際に使おうと思った。
- この授業を終えて、特に大切な8つのコツを知ることができました。この話を聞く前は、みんなと目を合わせないで喋っていたけれど、その大切さを知りました。そうすると、みんなにもっと話したいところが伝わったり、聞いてもらっている人のことを考えて喋ったりすることが出来ると思いました。
- みんなからもらった意見の改善点を使ったプレゼンテーションが聞きたい。
最後にある「みんなからもらった意見の改善点を使ったプレゼンテーションが聞きたい」というコメントはとてもうれしかったです。45分の授業時間では、改善したプレゼンテーションを見せるところまではいかなかったのですが、誰かのプレゼンテーションにコメントをして、それがどう反映されたのかを聞きたい、と思えるならば、クラスでお互いにコメントをし合って改善していくことができる素地があると思うからです。
授業で「中学校でもプレゼンテーションを使うことがあるよ」と伝えたことを覚えていて、ふりかえりに書いてくれた子もいました。この授業が、継続的にプレゼンテーション力を磨いていく最初の一歩になるといいなと思います。

先生方とのふりかえり
6年1組での授業を終えた後に、授業を参観してくださった先生方とふりかえりのミーティングをしました。先生方からいただいたコメントをいくつか紹介します。
- 5年生、4年生でも、この授業はやってもらいたい。
- 「メインメッセージ」は大事だと思った。
- 8つのポイントがわかりやすい。「こないだ聞いたのは何だっけ?」と、これからの授業で先生がコメントをすればいい。
- パターン・ランゲージがあることで、子どもたちが一貫したふりかえりができるなと思った。
- 「声の大きさが…」「体の向きが…」みたいな思いつきのふりかえりが多くなっていたのを変えられるのでは、と思った。
- 先生にアドバイスをもらうのではなく、自分たちでできるようになるのがいいツールだと思った。自分たちでプレゼンを良くしていくことができるのでは。
先生方に授業を参観していただいて、今回の「プレゼンテーションのコツ」を学ぶ授業を評価してもらえてよかったと思います。すぐにプレゼンテーションが上手になることはないので、先生方がコメントされているように、先生がいろいろな場面で、「こないだ聞いたプレゼンテーションのコツは何だっけ?使えそうなのあったよね?」と子どもたちに声をかけてもらえたらいいと思います。
授業後の校内での活用
上山口小学校では「プレゼンテーションのコツ」の授業を行った後、教材で使った「プレゼンテーション・パターン」を大きく印刷してラミネートし、マグネットで黒板に貼れるようにしているそうです。授業を行った6年生だけでなく、全学年で使えるようにしてくれているとのことで、今後の上山口小学校の先生方と子どもたちが、プレゼンテーションの力を楽しみながら伸ばしていってもらえたらいいなと思います。

(為田)