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千葉県立袖ヶ浦高校 情報コミュニケーション科 課題研究発表会 #4 「ICT活用事例集」(2015年11月19日)

 袖ヶ浦高校の課題研究発表会のときにいただいた資料のなかに、「ICT活用事例集」がありました。「千葉県立袖ヶ浦高等学校 ICT教育推進委員会」の名前で発行されています。
 こうした活用事例がどんどん広がっていくことは、とても大切なことだと思います。袖ヶ浦高校の知見が、どんどん広がっていきます。
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 「ICT活用事例集」の最初には、日髙校長による「ICT活用で学びの姿勢が変わった」が書かれています。

実際の活用はさまざまであるが、どの活用を取っても、これまでの知識・技能の習得だけに留まらない、「能力」の育成に結びついていることを実感する。SNSを用いた授業の疑問や感想の共有と協働的な学びへの発展は、生徒の自己肯定感を育み、学習への興味・関心を深めるだけでなく、探究心を生みだし、あらたな知見を広める経験をさせている。(略)共有し、協働し、認識しあうなかで、少数のリーダーや特定の指導者の決めた答えや教えに従うだけでなく、自分で考え、他者と考えを融合させながら独自の解答を導き出そうとする姿勢が身についている。


 また、情報コミュニケーション科長の永野先生の「これからの学力とICT活用」が書かれています。

従来の学習方法をデジタルに置き換えることでない。教科書、ノート、板書も重視。
本科のICT活用は、「効率化」が主眼ではなく、創造性、表現力を高め、コミュニケーションを活性化させること。
「教える」、「教わる」から、「ともに学びあう」授業へ
教員の「してはいけない」から、生徒の「私たちはこうする」情報モラル教育へ

 このように、「何を目指してICTを導入するのか」というのを明文化して、誰が見ても「目指したところに向かえているか」という評価ができるようになります。


 実際の活用事例も、各科目から事例を出していただいていて、「学習のねらい」「本時の展開」などがわかるようになっています。
 授業設計をする力をもっていらっしゃる先生方は、こうした事例を見て、「あ、これだったら自分の授業で、こうやって使えるかもしれない」と、たとえ教科や学年が違っていても、発想ができると思いますので、どんどんこうした活用事例が蓄積されていけばいいと思います。

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 深める方向だけでなく、広げる方向の方にも、袖ヶ浦高校が舵を切ったような気がしています。情報コミュニケーション科だけでなく、普通科の方にも先生を通じてICTを使った学びが広がっていくと思います。

 #5へ続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)