2019年11月21日に、ご縁がありましてレインボータウンFMで30分間のラジオ番組に出演させていただきました。番組中でリクエスト曲をかけてくれるとのことで、3曲選んでいたのですがCDを持っていかなかったため、急遽スタジオにあるCDからかけたい曲を選ぶことになりました。
スタジオのCDラックには、ものすごくたくさんのCDが並んでいて、そこからアーティスト名を探し、アルバムを探し、「どのアルバムに入っていたっけ…」と曲を探す、この一連のアクションが、とても大変であることに気づきました。昔は、ずっとこれをやっていたのに。TSUTAYAに行って好きなCDを借りるときもそうだったし、学校に行く前にウォークマンにどのCDを入れていこうか考えたりしていました。でも、今はそんなことを一切していません。
iPodを使い始めて、すべての音楽データを持ち運べるようになりました。「この曲を聴きたい」「このアルバムを聴きたい」と思ったときには、すぐに検索をします。曲名やアーティスト名をキーワードにして検索をすれば、ダイレクトに目当ての曲にたどり着きます。音楽の探し方が、テクノロジーによって大きく変わってきていることを感じました。
Spotifyのサブスクリプションを使うようになってからは、そもそも“自分で入手した音楽”ですらなくなっていて、「自分が聴いたことがない曲」さえも、検索できるようになっています。テクノロジーの発達で、検索の仕方が大きく変わってしまっています。
知らないことを検索する方法はテクノロジーによって大きく変わってきています。一度、検索の仕方を知ってしまったら、元には戻れない便利さがあります。デジタル化は不可逆だな、とひさしぶりに実感しました。
こうした、「テクノロジーによって検索の仕方が変わった」ということは、音楽だけの話ではなく、例えば調べ学習などでも同じことが言えると思います。
良い悪いの話ではなく、テクノロジーによって変わってきていることを前提としなければなりません。デジタル化は不可逆です。子どもたちは、数々のデジタル化をすでに受け入れている(意識的なものもあれば、無意識に、というものもあると思います)。
本当に必要なのは、「どうやって検索すればいいのか」、「どういうことに注意すればいいのか」、「知りたい情報を検索できるためにはどういう方法があるのか」ということを教えることだと思います。そんなことを、ラジオ局のCDの棚を自力で必死に検索しながら思いました。
(為田)