2022年10月14日に墨田区立錦糸中学校を訪問し、濱夏子 先生が担当する1年2組の美術「伝わりやすいポスターをデザインしよう」の授業を参観させていただきました。
今回の授業では、錦糸中学校の廊下に掲示する、「言葉」「個人情報」「時間」をテーマとしたポスターをKeynoteを使って制作しています。ポスターを見る人は中学生、廊下に掲示されるので、目に止まって内容が読みやすいポスターになるようにデザインをしていきます。
授業の最初に、濱先生は縦書きと横書きの変更の仕方やテキストの配置、色の変更などKeynoteでポスターの要素を作成するための操作方法を紹介します。操作方法を言葉で説明するだけでなく、実際にKeynoteでスライドを1ページ追加してもらって、そこで実際にポスターの要素を作成する操作を練習する時間をとっていました。
Keynoteでポスターを制作するだけでなく、自分が制作したポスターを説明するためのワークシートも濱先生からロイロノート・スクールで送られてきていました。
ワークシートには、「この作品は、中学生が目に止まるように、( )廊下に掲示するときに、( )イメージが伝わるよう制作しました。色で気をつけたことは、( )です」のように、空欄を埋められるようになっています。
こうしたワークシートがあることで「どういうイメージを伝えるか」を考えてからポスター制作に入ることができますし、ポスターデザインでの工夫を言語化することができていいと思います。
今回のポスター制作では、Keynoteで使える基本図形だけを組み合わせることになっていました。「写真やイラストなどを挿入することもできますが、そうすることでどうしてもそちらに目が行ってしまいます。目的をもったポスターデザインそのものに集中するため、基本図形や文字の配置に気を付けよう」と濱先生は説明していました。
基本図形だけでも、サイズを変えたり、反転させたり、組み合わせることで、生徒たちはスマートフォンの形を作ったり、アプリの画面を再現したりできていました。
ロイロノート・スクールの資料箱のなかには、ポスター制作の基本など、さまざまな資料が格納されていました。ポスターを制作するときの参考に使えるようにこうした資料が用意されているのは、いいと思います。
ポスター制作が進んでいくと、だんだん細かいデザインが増えてきたので、濱先生は廊下に掲示するポスターのサイズはA4だから、紙の大きさについて気を配るように説明していました。また、ポスターと見る人の距離も考えないと、あまりに小さい字は読めないことも伝えます。
デザインした実物がどんな大きさになるのかということは、デジタルで作業をしていると忘れがちですが、「廊下に掲示する」という具体的なシチュエーションがあるので、きちんと生徒たちが自分ごととして捉えられるのではないかと思います。
授業の最後に、この日できたところまでをKeynoteからPDFに書き出して、ロイロノート・スクールで提出してもらいました。提出されたPDFは次回の授業で紙に印刷し、実際のポスターとしてどう見えるのかをレビューし、制作を続けていくそうです。
実際に廊下に掲示するポスターを一人ひとりが作ることができるのは、プロジェクト型学習的でもあるし、それを言語化するワークシートと共にみんなでレビューし合うこともでき、このあとの展開がとても興味深いと感じました。
No.4に続きます。
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(為田)