GLOCOM主幹研究員の豊福晋平先生が責任編集された、『智場 #120 子どもの未来と情報社会の教育』を読みました。非常におもしろかったです。全体は「未来教育への展望」「情報社会の教育思想」「学習者中心の教育の構築」の3つのパートに分かれています。
おもしろいと思って読んだ箇所をメモとして公開したいと思います。
- 「デジタル・シフトと未来の教育」豊福晋平 (GLOCOM主幹研究員)
- デジタルシフトの3つの特徴
- 「学習材の偏在から遍在へ」というキーワード。こうした変化があるなかで、先生や学校の役割が変わってくるのは当然だと感じました。
- 「授業優先(class first)より日常優先(daily life first)」もまさにその通りだと思います。そこまで行かないと、「学びのスタイル」が多様にならないので。
- 「子どもとプログラミング」 阿部和広(青山学院大学社会情報学部客員教授)× 豊福晋平 (GLOCOM主幹研究員)
- プログラミング教育とクリストファー・アレグザンダーのパターンランゲージの関係性
- Scratchで、本来は導入例題だった「ネコ歩き」がゴールにならないようにしたいです、というのは、プログラミングのワークショップを主催する人たちにとって、非常に重要なコメントだと思いました。ちょうどプログラミングの授業シラバスについて考えているところだったので、刺さります…。
- 「テクノロジーと作文教育の未来」 澤田英輔 (筑波大学附属駒場中・高等学校国語科教諭)
- 作文教育でPCを使うことで、推敲がやりやすくなる。下書き段階で生徒同士でのピアレビューもできる。
- 完成した作品を共有したり、電子出版やブログでの公開もできる。
- 今後の作文教育の変化
- 「書くことの共同プロジェクト化」が、教室でも一層促進されるだろう。
- 「話すこと」が作文教育の手法として一層重視されるだろう。
- 作文をデザインという観点から捉え直すことが、国語の授業の内容として定着していくだろう。
- 参考文献になっている、“Developing Writers”が非常におもしろそうです。
また、参加させてもらった公開コロキウムの様子が改めてレポートで出ています。これらは、以前このブログでも紹介しているので、リンクを貼っておきます。
blog.ict-in-education.jp
blog.ict-in-education.jp
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すごくおもしろい!と思いながら読み進めていたら、3月23日に国際大学GLOCOMで公開コロキウムとして読書会が行われたそうです。そして、その読書会のダイジェストが、GLOCOMのサイトから読むことができます。
国際大学 GLOCOM 公開コロキウム ダイジェスト 機関誌 智場#120 特集号「子どもの未来と情報社会の教育」読書会も合わせて読むと、教育とICTについて、多角的に考えることができるのではないかと思います。
(為田)