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書籍ご紹介:『炎上社会を考える 自粛警察からキャンセルカルチャーまで』

 伊藤昌亮 さんの『炎上社会を考える 自粛警察からキャンセルカルチャーまで』を読みました。今日の社会=炎上社会が、どんな対立構造を持ち、どんな紛争状況を抱えているのか。また、その背景にどんな社会構造と時代構造があるのかを紹介する本です。

 社会で起きているさまざまな問題の、その背景にある構造について考えることができました。取り上げられる問題としては、コロナ禍での「自粛警察」、バイトテロ騒動、BLM(ブラックライブズマター)で見る「ハッシュタグアクティビズム」、ヘイトスピーチ、ネットでの誹謗中傷、キャンセルカルチャーなどです。

 これらの問題は大人だけの問題ではなく、子どもたちにとっても、子どもたちに接する保護者の皆さんや先生方にも大きな問題だと思っています。
 スマートフォンを持っている中学生・高校生はもちろんのこと、YouTubeなどを見ている小学生も、こうした問題の一端に直接触れることもたくさんあると思います。
 学校での授業中に、児童生徒がYouTuberの口癖を真似してきたり、という場面を何度か見たことがあります。授業支援ツールでクラスメイトにコメントをつけたり、文書を協働で書いたりするときにも、気になる言葉遣いをしたり、気になる振る舞いをする児童生徒もいます。
 こうしたことも、上に書いたような社会で起きている問題と無関係ではないし、社会構造・時代構造を反映している部分もあるのだと思います。
 社会構造・時代構造を知ったうえで、子どもたちがこれからの人生でしていくコミュニケーションについて考える必要があると思います。もちろん、そのコミュニケーションには、デジタル(SNS)が大きく関わってきます。そうしたことを考えて、小学校・中学校での一人1台の情報端末の使い方を考えなくてはいけないと思います。

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(為田)