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書籍ご紹介:『探究の過程における すぐ実践できる情報活用スキル55 単元シートを活用した授業づくり』

 僕は、「学校で探究的な学びや探究的な授業というものは、どうやって実現できるのだろう?」ということに興味があります。自分のする授業にも、少しでも「探究」っぽい何かを入れたいと思っています。探究的な授業づくりを勉強したくて、塩谷京子 先生の『探究の過程における すぐ実践できる情報活用スキル55 単元シートを活用した授業づくり』を読みました。

 まずは冒頭に掲載されている、「探究の過程における情報活用スキル55一覧表」がとても参考になりました。縦軸に以下の探究の過程が書かれています。

【探究の過程】

  1. 課題の設定
    • 問う
      • 問いをつくる
  2. 情報の収集
    • 見通す
      • 計画を立てる
    • 集める
      • 調べる メディアを選ぶ
      • 調べる 情報を見つける
      • 地域に出て調査をする
      • 観察や実験をする
    • 収める
      • 情報を手元に置く
  3. 整理・分析
    • 整理・分析する
      • ものごとを分析し特徴や傾向をつかむ
      • 量を分析し特徴や分析をつかむ
  4. まとめ・表現
    • まとめる
      • 一つにまとめる
    • 表現する
      • プレゼンテーションする
      • 事実や事柄を正確に伝える
      • 根拠に基づいて考えを伝える

 横軸は、発達段階になっていて、小学校と中学校の9年間が、3つのステップ・6段階で分類されています。

【発達段階】

  • 「ステップ1:探究の各過程におけるスキルを習得する段階」(小学校1・2年生 / 小学校3・4年生)
  • 「ステップ2:探究の過程を見通したときのスキルを習得する段階」(小学校5・6年生 / 中学校1年生)
  • 「ステップ3:より説得力をもたせるためのスキルを習得する段階」(中学校2年生 / 中学校3年生)

 この「探究の過程」(縦軸)×「発達段階」(横軸)でマトリクスが組まれていて、それぞれの場所に具体的にどんな情報活用スキルがあたるのか、というのがマッピングされています。

 授業の中にどうやって入れていくのか、ということも授業レポートがたくさん掲載されているので具体的な事例として知ることができるのもいいと思いました。

 今回、マトリクスで縦軸に並べられている「探究の過程」についても、いろいろ情報が書かれていて勉強になりました。

探究の過程、または、プロセスという考え方は、世界中にいくつも存在する。その代表的なものが、「Big6 Skills Model」である。「Big6 Skills Model」は、アイゼンバーグとベルコヴィッツが1990年に発表したもので、すでに世界中で知られている(Eisenberg and Berkowitz 1990)。問題を情報という視点から解決するプロセスを6段階で示したものである。(p.13)

1. 課題を明確にする(Task Definition)
2. 情報探索の手順を考える(Information Seeking Strategies)
3. 情報源の所在を確認し収集する(Location and Access)
4. 情報を利用する(Use of Information)
5. 情報を統合する(Synthesis)
6. 評価する(Evaluation)

  Big6 Skills Modelについては、参照先のサイトがリニューアルされていたので、新しい方でチェックしてみました。

thebig6.org

 「探究の過程」については、いろいろな表し方があるのだ、ということも書かれていました。

探究の過程という考え方は、世界中に普及しているものの、段階をどのようにとらえるのか、また、それをどのように表すのかについては、意見が分かれている。わが国においても、文部科学省は上記の4段階を示しているが、研究者によっては研究成果をもとに異なる順序や表し方をしている場合もある。(p.14)

 文部科学省の「探究的な学びにおける児童・生徒の姿」は、いろんな資料でも見ることができますが、検索で最初に出てきた「質の高い探究的な学びの実現(情報活用能力との一体的な充実)」(2025年5月資料)から紹介します。

 文部科学省が「探究的な学習の過程」として出している、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」を、塩谷先生は学校現場で授業づくりに使いやすいように分解していると言います。

筆者は、学校現場への提案を前提にしているため、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」に沿って、各教科等に埋め込まれている情報活用スキルを分類した。しかし、教師が授業で子どもにこのような用語を使うことは現実的でないことから、授業中にそのまま使えるように、4つの過程を分解しながら、子どもを主語としたときに動詞で提案している。(p.14)

 これが、最初のところにあった「探究の過程」になるのですね。なるほどなるほど、と読みます。探究の過程と、そのなかで入れられそうな活動が結びついていきます。

【探究の過程】

  1. 課題の設定
    • 問う
      • 問いをつくる
  2. 情報の収集
    • 見通す
      • 計画を立てる
    • 集める
      • 調べる メディアを選ぶ
      • 調べる 情報を見つける
      • 地域に出て調査をする
      • 観察や実験をする
    • 収める
      • 情報を手元に置く
  3. 整理・分析
    • 整理・分析する
      • ものごとを分析し特徴や傾向をつかむ
      • 量を分析し特徴や分析をつかむ
  4. まとめ・表現
    • まとめる
      • 一つにまとめる
    • 表現する
      • プレゼンテーションする
      • 事実や事柄を正確に伝える
      • 根拠に基づいて考えを伝える

 たくさんの授業事例も紹介されていて、授業の中にどう探究や情報活用スキルを入れるかということを学べる本でした。これを読みながら、自分自身がつくる授業でいろいろ試してみて、自分のスタンスを探していこうと思います。

(為田)