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書籍ご紹介:『教科を越えた「書くこと」の指導 事実を伝え、意見を述べる力を育む』

 島田康行 先生・渡辺哲司 先生 編の『教科を越えた「書くこと」の指導 事実を伝え、意見を述べる力を育む』を読みました。

 「序章 本書のなりたち」で、児童生徒に「書くこと」を指導することの大変さが書かれています。めちゃくちゃわかる…と思いながら読みました。

教師にとって「書くこと」の指導は進んで取り組むことが難しいことのひとつである。おそらく多くの教師は「書くこと」の指導の重要性を認識している。認識はしているが、一歩を踏み出せないでいることが多いのだ。
重要性を認めながら積極的に取り組むことがままならない、その理由の第一は、「書くこと」の指導が、著しく負担の大きな営為であるからにほかならない。
どのような種類の文章であれ、生徒の中に書く内容を育む、書くように仕向ける、書かせたものを評価する…といったどのフェイズにも膨大な手間がかかる。生徒にとっては、構想を練り、書く内容を整理し、文章の構成を考えるといった、書き始める前の段階が、最も助言を要するところであろう。そこに教師が介入しようとすれば、指導はまさにオーダーメイドにならざるを得ない。生徒が相互に適切な助言をし合えるようになるまでの道のりなどは果てしなく長く感じられる。
一方、生徒のまた、書こうとする文章の目標や、文章を書くことの意義や価値は理解できたとしても、自分の文章が目標にどこまで近づいたのか、どこまでできれば〈合格〉なのか、よくわからないでいることが少なくない。教師にとって、それらを生徒に具体的に示すことは難しく、進歩が目に見えにくいのも悩みのタネだ。モチベーションを保って「書くこと」の指導に取り組み続けるのは本当にたいへんなことだ。(p.1-2)

 そんなに大変なのだけど、「書くこと」の指導は、それでもやる大きな意義と高い価値がある、と書かれています。この本には、編者である島田先生と渡辺先生が過去15年ほどの間に「感動させられた」方々の「書くこと」の指導の実践が紹介されています。
 第1部は「国語教師による取り組み」で5人の先生方の実践が紹介されています。第2部は「他教科の教師による取り組み」で5人の先生方の実践が紹介されています。

 そのなかで、僕自身が「すごくいいなあ」と特に思ったのは、軽井沢風越学園のあすこまさん(澤田英輔 先生)の実践と、静岡県立浜松北高校(当時)の駒形一路 先生のHR日誌の実践でした。

 駒形先生の浜松北高校での、高校生のHR日誌、自分の番が回ってくると他の人が書いたページも全部読んじゃう、ってすごく素敵だと思いました。「書くこと」(と「読むこと」)が楽しくなる環境を作れる先生ってすごいな、と思いながら読みました。

 他にも、教科を越えた「書くこと」の指導事例をたくさん読める本でした。僕も少しずつでも、「書くこと」を楽しむ子どもたちを育てられるような授業をしたり、授業づくりのお手伝いをしたいな、と思いました。

(為田)