教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

Classi FAN MEETING レポート No.5(2018年8月3日)

 2018年8月3日に開催された、Classi FAN MEETINGに参加させていただきました。Classi(クラッシー)は、先生の授業や生徒指導、生徒の学習などをICTでサポートする学習支援プラットフォームで、全国の4割超となる2,100校以上の高校(中高一貫校を含む)に導入されているという。今回のFAN MEETINGには、200人を超える先生方とパートナー企業の方などが参加していました。

 今回は、ワークショップ後と閉会式の様子をレポートします。

 ワークショップ後に、FAN MEETINGのアンケートが実施されたのですが、みんなClassiからアンケートに回答していきます。


 タブレットで答える人、スマホで答える人、さまざまな端末からアンケートに入力するこの姿が、Classiらしいな、と思いました。
 将来的に、学校の教室で、同じようなシーンが見られるようになる可能性もあるな、と感じました。

 最後の閉会式では、Classi株式会社 取締役の井上寿士さんが、「サービスの進化より、先生方の進化のほうが圧倒的に速い。我々もがんばります。先生方の進化のスピードについていきます」というスピーチをされました。
 先生方の進化にClassiがついていくのと同時に、Classiの進化に先生方が学校でどう使えばいいかを授業設計し、カリキュラム・マネジメントをする。そうした形で、公教育がアップデートされていけばいいと思いました。

(為田)

JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会 レポート No.7(2018年9月13日)

 2018年9月13日に、筑波大学東京キャンパス文京校舎にて開催された、一般社団法人 日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)、一般社団法人 ICT CONNECT 21共催の「平成30年度 第2回 JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会」に参加しました。

 最後に主催者からのお知らせがありました。ICT CONNECT 21から、教育メディアナビの紹介がありました。
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 教育メディアナビでは、「教育プロダクト検索」と「事例検索」と2つの検索を行うことができます。
 「教育プロダクト検索」をクリックすると、ソフトウェアとハードウェアに分かれて紹介が並びます。授業支援のソフトウェアだけでなく、デジタル教科書などについても掲載されています。気になるキーワードを入力して検索してみるといいと思いました。
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 「事例検索」については、現在準備中となっていますが、事例を検索できるようになると先生方は使い方をイメージしやすくなるのではないかと思います。

 また、「教育ICT全般に関する質問と回答」を押すと、パナソニック教育財団とICT CONNECT 21の共同研究として、「教育ICT担当者コミュニティサイト」へアクセスできます。「予算が足りません」や「どんな資料が有効ですか」というような具体的なFAQが並んでいます。

navi.ictconnect21.jp

 教育メディアナビの、これからのコンテンツの拡充が非常に楽しみです。

(為田)

Classi FAN MEETING レポート No.4(2018年8月3日)

 2018年8月3日に開催された、Classi FAN MEETINGに参加させていただきました。Classi(クラッシー)は、先生の授業や生徒指導、生徒の学習などをICTでサポートする学習支援プラットフォームで、全国の4割超となる2,100校以上の高校(中高一貫校を含む)に導入されているという。今回のFAN MEETINGには、200人を超える先生方とパートナー企業の方などが参加していました。

 今回は、午後のプログラムである「Design for Learning ~共創ワークショップ~」の様子をレポートします。こちらのワークショップのファシリテーションは、Classiポートフォリオの開発リーダーを務める、Classi株式会社 企画部の安部亨さんでした。このワークショップは、教育の未来を共に創る、未来のことを一緒に考えるワークショップになったと思います。
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 ランチセッションを挟んだ後、会場はグループワークがしやすいようにセッティングされています。グループは椅子を丸く配置して座り、みんなで膝の上に「えんたくん」を置いて、ワークショップを行いました。

 それぞれのグループにカラフルなTシャツのメンバーがバラバラに座ります。アンバサダー先生をはじめとする先生方、Classiのスタッフ、パートナー企業の方々などがバランスよく配置され、多様性のあるコミュニケーションができるようにデザインされていました。
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 ワークショップのテーマは、「2030年の未来の学校を考える」。まずは、2018年現在の学校の「いいところ」と「もったいないところ」をみんなで付箋を使って書き出し、えんたくんに貼っていきます。
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 「Classiの機能を使って」という制限などをいっさいかけずに実施をしたのがとてもよかったと思っています。ICTに関連することばかりでなく、幅広くさまざまなトピックが出ていたのがよかったと思います。
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 同じ学校の先生同志で同じテーブルに座ることがないので、学校での事情にとらわれずに、自由な発想ができるのがとてもよかったのではないかと思います。えんたくんを用いたワークショップは、校内研修などで用いているところもあります。学内で使って、毎日の学校の中での出来事について話をするときにも用いることができるのではないかと思いました。

 ファシリテーターを務めた安部さんの「先生方に元気になってもらって帰ってほしい」という想いは、このワークショップの中でも、しっかり実現されていたのではないかと思っています。
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 No.5に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)

JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会 レポート No.6(2018年9月13日)

 2018年9月13日に、筑波大学東京キャンパス文京校舎にて開催された、一般社団法人 日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)、一般社団法人 ICT CONNECT 21共催の「平成30年度 第2回 JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会」に参加しました。

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 経済産業省 サービス政策課長(兼)教育産業室長 浅野大介 氏による「学びと社会の連携促進事業 ―平成31年度概算要求―」のプレゼンテーションから、興味深かったところをメモしました。
 浅野さんの「学びと社会の連携促進事業」についてのプレゼンは、Adobe Education Forumのレポートで紹介していますので、補足的にこちらのページを読んでいただけるといいと思います。

 平成31年度の「学びと社会の連携促進事業」の概算要求額の紹介からスタートします。

  • 「学びと社会の連携促進事業」31年度概算要求額は18.4億円(新規)
    • 昨年度は5億円→補正予算25億円になった実績。昨年度の25億円にはリカレント教育なども入っていた。それらを外して考えれば、増額。
    • 今年度は18.4億円で概算要求。当初予算でつけていく。
    • 使われる先は、「未来の教室」プラットフォーム
    • 実証事業も始まっている。先日、二次公募を終えて、選考中。
    • 昨年度とやろうとすることはあまり変わっていない。
  • 事業イメージ
    • 革新的な能力開発技法(EdTech)の創出、導入ガイドライン策定
      • 就学前・初中等・高等・リカレントの各段階で活用できるEdTechの開発・実証、教育現場で活用する際の課題抽出・効果検証等
      • 教育EBPMやEdTech導入に必要なインフラ(ICT環境、学習履歴データ、指導スキル等)の充実に向けた自治体セキュリティルールの整理、ロードマップ策定・調達構造の課題抽出とガイドライン策定
      • 学びと社会の連携を支える「官民コンソーシアム」の形成・運営
    • 社会課題の発見・解決に向けた実践の場の創出
      • 社会課題を題材とした実践的能力開発プログラムの構築

 「未来の教室」プラットフォームでは、民間教育産業、学習塾、通信教育、教育現場にICTを入れている企業が連携して、イノベーションを起こしていくことを目指しています。民間=私教育だけではなく、当然そのなかに公教育も入ってきますし、浅野さんは「民間教育/公教育の垣根はとっていきたい。学びのあり方全体を変えていきたい。」と言います。
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 経済産業省との関係が深い、産業界については、就職するため、というだけではなく、既存の産業を壊して新しく作り直すような人材を作っていきたい、という言葉もありました。その中には、産業界=子どもたちの出口になるところ(就職するため、ではない)を壊して、新しく作り直すような人材を作っていきたいと思っている、と浅野さんは言います。

 2020年代、学校はどういう存在に変化するか、3つの機能を果たす場として学校像が描かれています。

2020年代、学校はどういう存在に変化するか

  • 「勉強」の場としての学校
    • 教科主義、系統主義の教育をしっかりやりましょう、という学校の役割はある。だが、そのやり方は変わっていくだろう。
    • 決められた時間、決められたメンバーと、一緒に授業を聴くというスタイルだけではないだろう。
    • EdTechは世界中で生まれている。テクノロジーが学びを変えていくのであれば、それが学校をどう変えていけるのか。
    • あれだけの時間をかけなければ、今の成果は生まれなかったのか?
    • ほとんどの子どもたちは、何のための勉強しているのかがわからない。
    • 勉強は筋トレ。筋トレの成果として、何の競技で活躍するのかがわからないのに筋トレを続けるのは違うだろう、ということ。
  • 「社会課題解決」の場としての学校
    • 未知の可能性(例えば「校則」)
    • 特別活動×EdTech
  • 「マイ・プロジェクト」の場としての学校
    • 世界に開かれた産学連携
    • EdTech(ファブ・ラーニング、オンライン会話など)
    • 社会的な課題でなくても、自分にとって大事な課題であるマイ・プロジェクトを解決する。質を高めるために学習の環境を作っていこうということ。

 マイ・プロジェクトと教科学習が行ったり来たりすることも紹介されています。

  • 「マイ・プロジェクト」は、人それぞれ。
    • スポーツも、音楽も、アートも
    • 地域や世界の社会課題も
  • 「教科学習」のやり方も、人それぞれ。
    • 理解のスピードの違い、つまづくポイントの違い
    • 「教材」や「先生」との相性
    • EdTechで個別最適化された学習環境をつくる。
  • マイ・プロジェクトにこそ時間を使うために、いわゆる「勉強」をどう効率的にするか。
    • 学びの生産性をあげよう、ということだと思っている。
    • 経産省は効率性ばかりか、と言われる。
  • プロジェクトと教科学習は行ったり来たりすること。教科学習が効率化されることで、マイ・プロジェクトの方に時間をかけられるようになる。

 最後に、「未来の教室」実証事業 第1次公募 採択事業が紹介されました。

「未来の教室」実証事業 第1次公募 採択事業紹介

  • 出会いのプログラム
    • 学研プラス
      • 日米連合。学研×MIT Music Blocks。
      • まだUIには改善の余地が大きい。
    • 一般社団法人国際STEM学習協会
      • ものづくり(FAB)×課題解決
      • 湘南学園中学校高等学校
    • 株式会社FIELD OF DREAMS
      • スポーツ×学び
      • タグラグビーをやってみて、「どうやったら勝てるんだろう?」と考えて、プログラミングに移動する。
      • 「どう動けばいいのか?」を碁盤を使って考えてから、またタグラグビーをやると、動きが変わる。
      • 「足が速くなるにはどうすればいいの?」というのを、理科や数学の観点を踏まえて考えるというのも入っている。
    • ライフイズテック株式会社
      • IT・プログラミング×社会課題
      • 福岡県飯塚市
      • プログラミングをプログラミングとして独立させない。なぜプログラミングをするのかというのを具体的にわからせるプログラムに。
  • 知のナビゲーター
    • 株式会社Z会
      • 日大三島高等学校・中学校の中学2年制を対象に実施。
      • 食から、食のバリューチェーンなど、いろいろな家庭科ができる。探究型の家庭科?
    • 特定非営利活動法人 TOKUSHIMA 雪花菜工房
      • 専門高校のPBLのSTEAMs化。
      • カンボジアの首都プノンペンの交通渋滞を解決しに行くプロジェクト。工学的、数学的な知識だけでなく、社会システムのさまざまな要素、

 浅野さんは「いろいろな×(かけざん)で成り立っている。付加価値を生み出そうとしている。今までやったことがない組み合わせ、学校と事業者、研究者と学校、そうしたいろいろな掛け算を、やっている大人がワクワクしている提案」とおっしゃっていましたが、まさにそのとおりだと思います。学校を外と繋げる第一歩ともなると思います。先生方が教室でどのようにEdTechを使い、教室をアップデートしていくのかを見ていきたいと思います。

 「未来の教室」のFacebookページでも、随時情報が発信されています。

 No.7に続きます。
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(為田)

Classi FAN MEETING レポート No.3(2018年8月3日)

 2018年8月3日に開催された、Classi FAN MEETINGに参加させていただきました。Classi(クラッシー)は、先生の授業や生徒指導、生徒の学習などをICTでサポートする学習支援プラットフォームで、全国の4割超となる2,100校以上の高校(中高一貫校を含む)に導入されているという。今回のFAN MEETINGには、200人を超える先生方とパートナー企業の方などが参加していました。

 今回は、「Learning Experience ~コンテンツ・オプション学びの体験パート~」についてレポートします。Learning Experienceでは、Classiプラットフォームのパートナーが、ポスターセッションを行いました。英語4技能、プログラミング、部活動支援、アクティブラーニングなどさまざまなコンテンツ・オプションの説明を聴いたり、体験をしたりできるようになっていました。
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 その中でも、今後Classiプラットフォーム上で提供予定のKids' Signの説明を簡単にですがレポートします。

 Kids' Signは、匿名のいじめ通報サービスです。ネット上での子どもたちのコミュニケーションは、ネットだから見にくくなりつつあります。が、一方で、ネットだからできることもあります。それは、セキュアなところで匿名で通報ができる環境を用意することだと思います。Kids' Signでは、24時間7日間、専任のスタッフに匿名で通報を届けることができます。通報することで「自分がターゲットになる?」という心配なく使うことができます。
 通報があった後は、先生が動くことができる案件で、緊急性が高ければ先生に連絡を入れるようになっているそうです。

school-guardian.jp

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 Kids' Signは、これまでに、熊本県教育委員会川越市教育委員会などで使われている実績があるそうです。これからは、Classiの中で簡単にできるようになります。
 いじめやコミュニケーションの行き違いは、ICTをコミュニケーションツールとして使っていくとどうしても出てくる問題だと思います。ですが、先生方がチェックをし続けるのは現実的ではありません。そうした問題について、対応できるツールをClassiの中で提供するというのは非常に大切なことだと思いました。

 No.4に続きます。
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(為田)

Classi FAN MEETING レポート No.2(2018年8月3日)

 2018年8月3日に開催された、Classi FAN MEETINGに参加させていただきました。Classi(クラッシー)は、先生の授業や生徒指導、生徒の学習などをICTでサポートする学習支援プラットフォームで、全国の4割超となる2,100校以上の高校(中高一貫校を含む)に導入されているという。今回のFAN MEETINGには、200人を超える先生方とパートナー企業の方などが参加していました。

 今回は、「Learning Trip ~アンバサダー先生によるClassi活用事例~」についてレポートします。Learning Tripは、全国の学校からFAN MEETINGに参加している21人のアンバサダー先生による、Classi活用事例の紹介です。
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 Learning Tripは前半と後半に分かれていて、合わせて21のポスターセッションが行われました。参加者は自由にプレゼンテーションを聴きに行くことができます。参加者は皆、カラフルなClassi Tシャツを着ています。
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 いくつかのポスターセッションを聴かせていただいて感じたのは、Classiが果たしている“プラットフォーム”としての役割の大きさです。全部で21人のアンバサダー先生がポスターセッションをしましたが、使い方は学校ごとにいろいろです。
 以下、紹介された事例の学校名とテーマを記載します。

 例えばポートフォリオは、学びの質を向上させるために使っている学校もありますし、面談資料として進路指導に使うという学校もあります。また、Webテストもさまざまな使われ方が紹介されていました。Webテストを実施すると紙で課題を出すよりも提出率が高い、という報告もありました。また、夏休みには毎日Webテストを配信したという学校もありましたし、朝自習に活用している、という学校もありました。
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 学校によって、「どう使いたいか」がバラバラなのは当然であり、むしろ、さまざまな「使いたい」方法を許容して、その使い方を実現できるのがClassiの良さなのだと思います。

 No.3に続きます。
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(為田)

Classi FAN MEETING レポート No.1(2018年8月3日)

 2018年8月3日に開催された、Classi FAN MEETINGに参加させていただきました。Classi(クラッシー)は、先生の授業や生徒指導、生徒の学習などをICTでサポートする学習支援プラットフォームで、全国の4割超となる2,100校以上の高校(中高一貫校を含む)に導入されているという。今回のFAN MEETINGには、200人を超える先生方とパートナー企業の方などが参加していました。
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Classiポートフォリオ

 開会式に続いて、Classi株式会社 代表取締役副社長の加藤理啓さんがステージに上がり、今回のFAN MEETINGのテーマが「共創」であることを伝えました。このなかで、加藤さんは未来のことを考えるとともに、もっと近い現実である「明日」のことも考えたい、というふうに言っていました。

 加藤さんは、前回のFAN MEETINGからのさまざまな事業のアップデートを報告していきます。最初に報告されたのは、Classiポートフォリオでした。2018年4月にリリースされ、798校 18万7000件以上の活動記録が蓄積されているそうです(FAN MEETING当日の8月3日現在)。日本でいちばん使われているポートフォリオだと言います。
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 Classiポートフォリオは、これから“活用”のフェーズに入ります。例えば、蓄積された記録をまとめ直す活動のための機能も開発していくそうです。また、仲間からフィードバックをもらって学びを深めるということもできるようにしていくために、相互評価機能についても必要だと言っていました。
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Classiプラットフォーム

 続いて、同じく2018年4月にリリースされたClassiプラットフォームです。今後新たにClassi プラットフォームに追加となる予定のコンテンツパートナーが紹介されました。
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  • JTB 「修学旅行探究パック(仮)」
    • 研修・修学旅行の「タビマエ/タビナカ/タビアト」を通じて探究ができるように。
    • ポートフォリオ研究の第一人者 東京学芸大学 森本教授+JTBの研究成果。
    • Classiと親和性が高い。
  • ネットラーニング「先生向けセキュリティ研修」
    • 学校現場に必要な情報セキュリティの基礎をeラーニングで効率よく学び、適切な対処ができる力を養う。
  • アディッシュ「Kids' Sign
    • 匿名でいじめの通報ができるウェブサービス
    • ネットだから見にくい一方、ネットだからできることもある。セキュアなところで匿名で書く。
    • プロの目を持つ人が専任でチェックする。そして、学校へレポートする。

 プレゼンテーションの最初に加藤さんは、パートナーの方々を、「先生と共に課題に向き合っている人たち」と紹介していました。まさに、学校の課題と向き合う、Classiのパートナーであり先生方のパートナーがこうして増えていくのだと思います。こうした力を結集する場になっているのが、Classiのいいところだと思います。
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 英語4技能、プログラミング、アクティブラーニングなど、学校の課題に向き合うために使えるこれらのさまざまなコンテンツに、ClassiのIDひとつでサインオン可能となっています。

Classi ポータルアプリ

 また、先生、生徒、保護者が使うスマホアプリ、Classiポータルアプリも来春リリースに向けて準備をしているそうです。高校生のスマホ所持率は高くなってきていますし、学校の内外の壁を取り払い、学びを中心とした高校生たちの活動すべてのポータルになる可能性もあると思います。
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ClassiのVisionValue

 ClassiのVisionである、「新しい学びが広がる未来の教育プラットフォームを創る」についても、加藤さんから紹介がありました。データテクノロジーを活用して、子どもたち一人ひとりが主体的に学ぶ意欲と学び続ける力を育む教室を創っていくためのプラットフォームになろうというVisionは、このFAN MEETINGに参加している先生たちと共に実現をされていくといいな、と思います。
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 また、Classiの組織としてのValueも紹介されました。そこで紹介されていたのは、以下の3つです。

  • Unlearn & Learn
    • 既存の知識を外す勇気。「学び方」を学び続けよう。失敗してもいい。新しい学びに挑戦しよう。
  • Love Difference
    • 違いを愛そう。チームを超えて協働しよう。多様性こそClassiの強み。多様な方がわくわくする。
  • Make Happen
    • 共に作り、共に実現する。大切なのは、信じて、やり抜くこと。

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 Valueは、判断をするときに立ち戻る基準にもなります。ValueをFAN MEETINGの場で紹介するということは、これはClassiの組織のメンバーだけでなく、Classiを使っている学校の先生方にも共有されることで、よりClassiが良くなっていくようなコミュニティを創っていこう、ということだと思いました。このFAN MEETINGは、そうしたコミュニティを共に創る場となる予感がしました。
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 No.2に続きます。
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(為田)

JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会 レポート No.5(2018年9月13日)

 2018年9月13日に、筑波大学東京キャンパス文京校舎にて開催された、一般社団法人 日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)、一般社団法人 ICT CONNECT 21共催の「平成30年度 第2回 JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会」に参加しました。
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 総務省 情報流通行政局 地域通信振興課 課長補佐 小林圭輔 氏による「災害時だけじゃもったいない、Wi-Fiの効果的な整備や活用法(防災×教育)」のプレゼンテーションから、興味深かったところをメモしました。

 まずは災害時におけるWi-Fi開放が行われていることについての説明と、実際にどのように運用されているのかという説明がありました。

  • 防災のためだけの整備ではない。全国の学校の9割は避難所に指定されている。そのため、WiFi整備の対象となる。
  • 平時と災害時におけるWi-Fiの活用
    • 災害時には携帯の電波がつながりにくくなる。その際、WiFiは違う電波になるので、使い勝手がよい。
    • くまもとフリーWi-Fiの利用状況の推移。「役にたった」という声が多い。
  • 教育現場でWi-Fiが必要な理由
    • 防災拠点としてのWi-Fiだけではもったいない。平時にも使ってもらいたい。

 学校が避難所になったときには、担当者からメールを送ることで災害用SSIDが運用開始されて、無線が開放されるのですね。

 防災などに資するWi-Fi環境の整備としては、防災拠点となる避難所・避難場所(学校、市民センター、公民館など)と官公署についてWi-Fi環境の整備を進めていくことになっています。現状で全国21000箇所に整備がされていて、今後2カ年で9000箇所に整備すべく目標を立てています。

総務省補助事業を活用した学校の整備モデル

  • 補助事業では、災害時の避難計画のある「体育館、特別教室、多目的教室、廊下」等へのWi-Fi整備が補助対象
  • 普通教室への直接的なWi-Fi整備は補助対象外であるが、上記計画のある特別教室付近の廊下や、住民の避難を想定している廊下等に、Wi-Fiを整備することにより、その電波を普通教室でも利用可
  • また、平時では、利用者を生徒や教員等に限定することが可能。ただし、災害が発生した場合、誰でも利用できるようにWi-Fiを開放することが必要

 北海道洞爺湖町や長野県飯田市がモデルとして紹介もされていました。学校はただ学ぶ場所というだけでなく、地域コミュニティの核ともなれる施設なのだということを実感しました。
 技術に明るくないのでわからないのですが、廊下にアクセスポイントを設置して普通教室で利用することは、問題なくできるものなのでしょうか。もし問題ないなら、どんどん補助金を使って整備が進めばいいな、と感じました。

 恥ずかしながら、こうした整備の方法があることをまったく知らなかったので、今回の概算要求の説明を伺うことができてよかったです。

 No.6に続きます。
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(為田)

JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会 レポート No.4(2018年9月13日)

 2018年9月13日に、筑波大学東京キャンパス文京校舎にて開催された、一般社団法人 日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)、一般社団法人 ICT CONNECT 21共催の「平成30年度 第2回 JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会」に参加しました。
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 総務省 情報流通行政局 情報流通振興課 情報活用支援室 課長補佐 安藤満佐子 氏による「プログラミング教育に係る総務省の取組」のプレゼンテーションから、興味深かったところをメモしました。

 まず最初に、安藤さんからは、プログラミング教育に係る総務省の取組の背景として、4つのことを紹介しました。

  1. プログラミング教育の必修化
    • 小学校学習指導要領(平成29年3月31日公示)
  2. 政府方針
    • 産業競争力の強化に関する実行計画(2018年版)(平成30年2月6日閣議決定
      • 「それぞれの地域において児童がプログラミングを継続的・発展的に学ぶことができる環境づくりを進める。」
    • 未来投資戦略 2018 ―「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革―(平成30年6月15日閣議決定
      • 未来の学びコンソーシアムの活動等により、全国の教育委員会や学校、企業等と協働して、ポータルサイト等を活用しながら教材開発や教員研修の質の向上を実現する。
      • 学校のICT環境のクラウド化を推進し、授業・学習系システムと校務系システムの安全な連携手法を来年度までに確立する。
    • 世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画(平成30年6月15日閣議決定
      • 公共施設等を利用してプログラミング等を学び合うコミュニティとして「地域ICTクラブ」の創設に取り組む。
      • 国民全体のITレベル底上げのため、小・中・高等学校でのプログラミング教育の充実を図るとともに、プログラミング等を学びたい児童・生徒等が発展的に学び合う機会(地域ICTクラブ)が重要である。
  3. 情報通信審議会答申
    • IoT新時代の未来づくり検討委員会を立ち上げた。
    • IoT、AI、ロボットなどが日常生活、職場や公共空間に広く浸透する時代が来る。
      • 生産年齢人口の減少、人生100年時代、独居高齢者世帯が急増…という時代。
    • 2030年台に実現すべき未来の姿
      • 年齢・性別・障害の~「インクルーシブ(包摂)」な社会=スマートインクルージョン構想
      • 地域ICTクラブ みんなで集まってプログラミング「で」学びましょう、というコンセプト。
  4. プログラミング教育を取り巻く環境
    • 講座を開くと、地域差はある。関東に集中しているのが現状。
      • 2017年3月時点で、プログラミング教室・講座の開設数(総務省調べ)は、北海道 6、東北 43、関東 113、中部 38、近畿 61、中国 23、四国 6、九州 32となっている。
    • 総務省としてはなんとかしたいと考えている。

 通信環境の変化などの背景が詳細に語られました。生活を変えるインフラ部分は、総務省が整えている部分が大きいのだ、と改めて実感します。そのなかでも、プログラミング教育に関して言えば、地域ICTクラブが、「プログラミング等を学びたい児童・生徒等が発展的に学び合う機会」として機能したらいいな、と思っています。

 総務省の取組みとして、「地域におけるIoTの学び推進事業(地域ICTクラブ)」に、3.8億円を要求しています。

  • 地域ICTクラブの取り組み
    • たんにプログラミング講座を解説するのではない。
    • 人、モノ、金。金も大事。自走してもらうために、金のしくみは大事。
      • 機材は高い。三重県では、教育委員会が機材を買って、それを貸し出すということもできている。そうした自走のしくみも存在している。
    • 3.8億円要求。5項目。1項目目は追加実証。
      • 追加実証等
      • メンター育成等
      • 優秀な人材の派遣等
      • ガイドラインの策定等
      • 普及啓発活動

 地域ICTクラブが、学校の授業とうまく連携できるといいと考えます。プログラミングは、何か問題意識をもって、それを解決したい!と思って、「たっぷり時間をかけて考える」ことができて、「それをどう実現したらいいかを教えられるメンター/プロフェッショナルがいる」ということがないと、せっかくやる意味があまりないのではないかと僕は思っています。
 学校は、プログラミングへの本当に初歩の初歩の入り口を提供するだけ。そこから、「もっとやりたい!」となった児童・生徒が、地域ICTクラブへ行って、没頭できる環境があればいいと思います。
 学校でサッカーなどのスポーツに出会ったり、学校で楽器を弾いて楽しさに目覚めたりしたあと、チームに入ったり、外部のスクールに入ったり先生についたりするのと同じ感じが、学校的には無理がないのではないかな、と思っています。
 そうすると、先生方としては、入り口としての機能をどう果たせばいいのか、というところに注力すればいいので、ここは専門的な知識やノウハウよりも、子どもたちのモチベーションコントロールが大きいかな、と思っています。

 こうした方向性を考えると、地域ICTクラブには非常に期待したいと思っています。学習塾がやったりするのでも全然いいなあ、といつも応援しています。

 No.5に続きます。
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(為田)

JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会 レポート No.3(2018年9月13日)

 2018年9月13日に、筑波大学東京キャンパス文京校舎にて開催された、一般社団法人 日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)、一般社団法人 ICT CONNECT 21共催の「平成30年度 第2回 JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会」に参加しました。

 文部科学省 国際教育課 外国語教育推進室長 金城太一 氏による「外国語教育におけるICT活用について」のプレゼンテーションから、興味深かったところをメモしました。

 金城さんは、最初に新学習指導要領によってどのように外国語教育が変わるのかについて説明しました。

  • 小学校では2020年度から…
    • 3年生・4年生から「外国語活動」が新たに始まります。(早期化)
    • 5年生・6年生では「教科」になります。(教科化)
  • 中学校では2021年度から…
    • 授業は外国語で行うことが基本となります。
    • 学習した語彙、表現などを実際に活用する言語活動を重視します。
  • 高校では2022年度から…
    • 「聞く」「読む」「話す(やり取り・発表)」「書く」を総合的に学び、発信力を高めます。

 金城さんは、小学校での早期化、教科化。高校でも、教科すべてを総取り替え(どう変わったかの比較はこちらでできます)を行います。これは、国民の外国語教育への興味関心の高さを示すもの、と言います。

外国語教育の抜本的強化のイメージ

  • 移行期の1年~2年でしっかり助走をしていく。
  • 現場を変えていくという方向で取り組んでいる。
  • 縦軸に国際基準のCEFRを載せている。先生方の努力が必要。上に引っ張り上げている。
  • 「話すこと」については、これまでは発表中心→「やりとり」を入れている。

 実際に、外国語教育の成果が、「英語教育実施状況調査」から紹介されました。英語教育実施状況調査は、ICTを使って英語の授業が行われているかなども書かれていて、一度じっくり見てみたいと思いました。

  • 教師の英語力に関すること。都道府県別に分けてみた=情報教育課にならってやってみた。
  • 生徒の英語力についても。国の目標値を超えているところは少ない。
  • 今回、中学校で国の目標を複数超えたのは初めて。高校でも福井県が国の目標を超えたが、これも初。
  • 高校、英語ではインプットに重点が置かれていることが結果に現れている。

 そうした現状をふまえての平成31年度の概算要求についての説明がありました。

  • 小中高等学校を通じた英語教育強化事業(要求・要望額 1185百万円、前年度 737百万円)
    • 民間機関や外部人材の活用による英語教育強化
    • 教師の指導力向上や条件整備による英語教育強化
    • 先進的な取り組み支援・成果普及による英語教育強化
  • 注目は、新規の「英語4技能育成のためのICT活用普及促進事業」(要求・要望額 250百万円 新規)
    • 民間が開発したテクノロジーを使って、特に発信型の英語を強化したい。
    • どこに住んでいても学べる、ALTがいなくても学べる。ICTの力。
    • 自治体に実情を訊くと、「民間と組みたい」という思いは多くの自治体である。が、情報がない。成果が不透明なので、二の足を踏んでいることがあった。民間企業と学校との間に入る、事務取扱業者が、橋渡しをすることになる。
    • マッチングの業者がリストを作り、そのリストを自治体が参照して、申請してくる。リストに、それぞれの開発しているアプリやソフトの概要、学習環境(タブレットが一人1台必要か、など)、対象となる学校種、4技能のどこを伸ばす強みがあるのか、どうやって伸ばすのかという数値目標、それらを記載してもらい、それを見て自治体が相手を選ぶ。
    • 500万円は、ソフトウェアの利用料として使うことができる。民間のソフトをそのまま使うのではなくて、学校の実情に合わせてカスタマイズしてもらうことも想定。教科書とタイアップしてもらう。
    • 3年間でしっかり結果を出してもらい、Webで公開する。後発の自治体も、そこでさらに選ぶことができる。
    • インタラクティブなコンテンツ→実際のコミュニケーションにあうもの。
    • 子どもたちの実態に応じたものに。

 また「生徒の発信力強化のための英語指導力向上事業」についての説明もありました。

生徒の発信力強化のための英語指導力向上事業(要求・要望額 465百万円 前年度277百万円)

  • オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド研修を実施する。
    • 中学校で3000人、高校で2300人、合計5300人×5年間で、全体の底上げ。これで、全国の半分くらいの先生になる。
  • 事業終了後は、都道府県で実施している研修に引き継ぐ、養成過程でも教えられるようにする。

 金城さんは、「英語教育を起点にして、学校の中にテクノロジーを入れる。英語の先生はグローバルなマインドをもち、いちばん社会に近い存在。それを学校全体に広げてほしい」と言っていました。

 No.4に続きます。
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(為田)