2025年6月12日に渋谷区立原宿外苑中学校を訪問し、森静香 先生が担当する3年生の英語の授業を参観させていただきました。この日の森先生の授業は複数のパートで構成されていて、「読みトレーニング」「Listening」「ELSA」の3つのパートを順に行っていきました。
最初のパートである「読みトレーニング」では、生徒たちは副教材『読みトレ100』を開いて、No.14の英文を読んでいきます。森先生は電子黒板にストップウォッチを表示して、生徒たちが読み始めると同時にスタートします。生徒たちは英文を読み終わったところで電子黒板のストップウォッチを見て、かかった時間をチェックして、『読みトレ100』についているWPM(Word Per Minute)の表に記録を書き込んでいきます。

英文を読み終わってWPMの記録をつけたら、生徒たちは付属問題に取り組み理解を深めていきます。
こうして一人ひとりで『読みトレ100』に取り組んだ後で、2~3人のグループを作って、英文の内容について共有します。

グループになって内容の共有をした後で、森先生が電子黒板に『読みトレ100』のページを映して、線を引いたりコメントを書き込んだりして、英文の意味についての確認や文法事項の解説をしていきます。

次の「Listening」のパートでは、電子黒板で副教材『NEW LISTENING PLUS』の英語音声データを再生して、みんなで必要な情報を聴き取り、概要・要点を捉える活動をします。
この日のテーマは「Food Fight」で、3人の男性がピザ・ハンバーガー・ホットドッグ・アイスクリームで大食い競争をしている様子が英語で実況されていました。その英語実況を2回繰り返して聴いて、『NEW LISTENING PLUS』のページに聴き取れた情報を書き込んでいきます。聴き終わったら、周りの人と聴けた内容を話し合って共有します。

授業開始から15分ほどで、ここまでの「読みトレーニング」と「Listening」の2つのパートが終わりました。1つずつのパートの時間が短く、生徒たちは集中して活動に取り組むことができているように思いました。
次の「ELSA」のパートでは、生徒たちがもっているSurface Go 2でAI英会話支援サービス「ELSA Schools」を起動して、読みの練習をします。
事前に森先生が教科書の「Unit2 Read and Think1」の英語本文と新出単語をELSAに入力して、「3年 Unit2 Read and Think1 単語」と「3年 Unit2 Read and Think1 音読」の2つの学習セットを作っていました。ELSAに教科書の英語本文を入力すると、本文を読み上げる音声や、単語を練習する際の音声やクイズの選択肢などをELSAが自動で生成してくれるそうです。
「単語」の学習セットと「音読」の学習セットのどちらを学ぶか、生徒たちが自分で選べるようになっていました。森先生は生徒たちに「自分でいちばん身につけたいところをやってほしい」とおっしゃっていました。

「単語」の学習セットを選んだ生徒たちは、教科書の英語本文で出てくる新出単語を、自分のペースで学んでいきます。単語の発音、意味、スペルをくりかえし練習していきます。単語の発音は、再生スピードを変えることができるので、ゆっくり再生して聴き直している生徒もいます。このように、自分の習熟度に合わせて学習をすることができます。
ELSAでの単語の学習は、複数の選択肢から正解を選んでクリックしたり、マイクに向けて自分で発音して評価してもらうなど、さまざまな形式で出題されていました。

フィードバックの画面には、学習セットの中に含まれている単語ごとに、自分の習熟度が表示されます。意味をきちんと覚えているか、発音ができるかなどを自分でチェックしながら単語の練習をすることができます。

「音読」の学習セットを選んだ生徒たちは、表示されている教科書本文をマイクに向かって音読します。生徒たちが音読した英語を、ELSAが音声認識してフィードバックをしてくれます。

フィードバックの画面では、単語単位で発音についてフィードバックがされます。赤く表示されている単語をタップすると詳しいフィードバックを読むこともできます。
生徒たちは評価画面を見て確認しては、何度も教科書本文を発話する練習を繰り返していきます。ただ英語本文を音読するのではなくて、自分の音読のなかで、「どの単語の発音に改善の余地があるのか」ということを知ることができるので、音読練習の質を上げることができます。

一人ひとりで行う「単語」と「音読」学習の「ELSA」パートの後で、最後に、デジタル教科書を使って「Unit2 Read and Think1」の内容を復習していきます。「単語」と「音読」の学習セットで新出単語の意味や発音、英語本文の音読を一人ひとりで練習し、それに加えてクラス全体でデジタル教科書を使って音読と内容理解の学習をしていきます。
この日の授業では、「英語らしく読んでいきましょう(Read Fluently.)」というゴールが設定されていたので、デジタル教科書を大きく電子黒板に映して、ELSAでの音読練習を活かして全員で音読をします。その後で、一文ずつ順番にペアで読んでいきました。


また、内容理解のところでは、教科書に書かれている質問について考えます。デジタル教科書のページを電子黒板に映し出して、森先生は説明しながら書き込んでいきます。
「animal-freeという言葉が出てきましたが、他に○○-freeという言葉を何か思いつきますか?」と森先生が質問すると、生徒たちからは「バリアフリー」「ケージフリー」「アルコールフリー」などの言葉が出ていました。

授業後に森先生にお話を伺うと、ELSAは課題として出したいけど、生徒たちがなかなか忙しいので、授業の中に組み込んでいるとおっしゃっていました。そのため、授業のなかでELSAに取り組む時間をとっているとのことでした。
また、「ELSAを授業で使うようになって、英語が苦手だった生徒たちにも、取り組む姿勢に変容があるように思える」とおっしゃっていました。今後も授業中に継続して活用して自分にあった学習を自分で選ぶことに慣れてきたら、単語の練習や発音の練習など一人で家庭学習でできるものは授業の外部に出していくことができそうだなと感じました。
(為田)